リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

バイエルの謎(安田寛著)

バイエル教則本は黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」と並ぶほど日本で普及している本らしい。 私の子供の頃もピアノといえばバイエルでした。 だから、80年代後半から起こった「バイエルなんかドイツじゃ誰も知らない」「バイエルなんか実は実在していな…

本・先生のお庭番(朝井まかて著)

長崎の出島で,そのあまりの可愛さに興奮冷めやらぬ日々でしたが、まちライブラリーでたまたま手に取った本がまさにその出島が舞台! 出島って学生時代に歴史の教科書で絵を見た記憶があるけど、実際に行ってみるとその小ささにびっくりした。 10分くらいで一…

続・窓際のトットちゃん(黒柳徹子著)

黒柳徹子さんやお母さんのエッセイはこれまで結構読んできたし、正直言っていまさらトットちゃんの続編まで読まなくてもいいかなぁと思ったりしてました。 でも、今日本屋さんで「あとがき」を立ち読んだら(これは買わないとアカンやつや)と直感。 買って…

本のある空間採集(政木哲也著)

この本を抱えて日本中の個性的な本屋さんを巡りたい! 買って夢中で読みました。 とにかく紹介されているどの本屋さんも素敵で、行ったことのある本屋さんは(そうそう!まさにこんなお店!!)とまた行きたくなるたまらない本です。 なんと懇意にしていただ…

あふれでたのはやさしさだった(寮 美千子著)

姉から送ってもらって本棚にずっとあったこの本。 奈良少年刑務所が星野リゾートに買われて監獄ホテルとして再生するというニュースに触れて本棚から出して来てみた。 本当にたくさんの人に読んでほしい。 言葉が力を持つのは、心の近いところからやっと絞り…

せかいでさいしょにズボンをはいた女の子(キース・ネグレー作)

いつもは着物を着せる沼ですが、今夜はズボンでこの本をご紹介。 この女の子のモデルになったメアリー・エドワーズ・ウォーカーは1832年生まれ。 ズボンを履いていることを理由に、何度も逮捕されますが1919年に87歳で亡くなるまで女性の選挙権と、好きなも…

暖簾(山崎豊子作)

大阪在住者としてはこの船場商人の物語はどこかで読もうと思っていた。 長い間本棚で眠らせていたのに、ふと手に取ってページを開いた途端、大阪の商売人魂が覚醒したように流れ込んできた。 初めて書いた小説なのに、すでに貫禄すらある山崎豊子さんの筆の…

文学キョーダイ(奈倉有里✖️逢坂冬馬)

今年ももう残すところ2ヶ月足らず。 ブログを書いておかないと、すぐ忘れてしまうので、長い間眠らせてたブログを「リカ活動家の日々のこと」として再始動することにした。 で、今日読み終わったのがこちら。 この2人が実は姉弟だと知って日本ペンクラブの企…

本「古くてあたらしい仕事」島田潤一郎著

昨日は誕生日だったので自分に本を買った。 ちょっと前に誰かが紹介していて気になっていた上に、黄色い帯に推薦文を載せている2人がとても好きな作家だったことが背中を押した。 読み始めたらもう最後まで止まらなくなった。 こんなにも「なぜ私は本を読む…

細雪 上巻 谷崎潤一郎著

昨日「大阪の日本画」展を中之島美術館まで見に行き興奮が冷めやらぬうちに「細雪(ささめゆき)」を。 戦前、大阪が大大阪と呼ばれた時代の雰囲気を感じる作品です。 4姉妹のはんなりした関西弁と性格の緻密さにあっという間に上巻を読み終わる。 若い頃、…

名古屋といえば

名古屋といえば帯が連想されるほど、短期間で着物に魅せられております。 とうとうメルカリで一目惚れした名古屋帯を自分のために買ってしまった。 だって昔はみんなサラッとこれ着て普通に生きてた訳で、大正デモクラシー期の女たちの本を読み漁った昨年を…

そうだ田辺に行こう

年末にタイルと台湾飾り窓をモチーフにしたオブジェの展覧会で2回通った大阪・田辺にある須田画廊さん。 オーナーの須田さんの着物が素敵だったことが、その後の私の「リカちゃん和装」のきっかけでした。 今回は気になる本屋さんが田辺にあると知って、思…

2022年に読んだ本たち

今年は自分としては戦前戦後を生きた人の本を読んだ1年でした。 このブログのおかげで辿れるのでまとめておく。 まず元旦に購入した朝井まかての「落葉」明治天皇が江戸に入るところから始まる時代背景を緻密に調べて書かれた娯楽小説で、明治と大正の境目の…

木曜日にはココアを(青山美智子著)

受験生の娘さんが国語の問題集で見つけて「続きが読みたい」と言うのでメルカリで購入。 早速読みながら娘さんが「伏線回収がヤバい」と興奮していたので、私も貸してもらって読み終えた。 不器用な人や、誠実な人がたくさん出てくるオムニバス形式の優しい…

本「西村伊作の楽しき住家」(田中修司著)

こちらも引き続き中村伊作関連。 勢いづいて一気に読了しました。 研究者の方の論文だけあって緻密に当時の社会変革の波や、時代背景、キリスト教や社会主義が西村伊作の建築運動にもたらした影響を調べ上げてくださっています。 この本を読んで自分の勘違い…

本「きれいな風貌 西村伊作伝」黒川創著

上からの写真ではちょっとわかりにくいですがこの本あとがきまで読むと347ページもある結構な厚みです。 春に蒲田のあんず文庫さんに行ったときに見つけて、買っていましたが厚みに気圧されて半年も寝かせてしまった。 とはいえ読み出すとものすごく面白かっ…

本「人生と読書」(三木清著)

「本を持たずに出かけると、活字が恋しくて広告すらじっと読んでしまう。」という話をして「でも今日は身軽に動きたいから一冊も持たずに出かける。」と玄関を出ようとしたら姉が「電車に45分も乗るのにそれはあかんで!」と、本棚から薄い文庫本を数冊持っ…

絵本「生きているかぎり語りつづける」

何年か前にご近所の本屋さんがこの本と被爆者の谷口すみてるさんの講演会を企画されたことがあった。 この本を買って申し込んだのに、当日子供が発熱し見送った。 で、何年か経つうちに谷口さんはお亡くなりになり、私はこの本を本棚にしまったままで、なん…

本「ぼくらのなまえはぐりとぐら」

先日、山脇百合子さんが80歳で亡くなられた。 こんなに豊かなものを日本の子どもに残してくれた人はそうはいない。 と、言いかけてこの本を思い出した。 何年か前に福音館書店「母の友」編集部が発行した「ぐりとぐら」のすべて。 この本には世界中のさまざ…

本「ロシア大地が育む家庭料理」

春に上京した時に、蒲田の古本屋さん「あんず文庫」で買った一冊。 一昨日に投稿した「夕暮れに夜明けの歌を」の中でブリヌィを友達と食べているシーンで思い出して開いてみる。 3パターンのアレンジまで!! 本は出会ったときはなにげなくても、ある時ふと…

本「アメリカ分断の淵をいく」(國枝すみれ著)

アメリカがこんなに分断されてしまった背景にはラスティングベルト(錆びついたベルト地帯)と呼ばれる、かつて製造業で栄え今はまともな職がない地域の衰退が間違いなくある。 先日、英会話の先生が「REPLECEMENT THEORY(置き換え(陰謀)論」という言葉を…

本「なにが記者を殺すのか」(斉加尚代著)

毎日放送のドキュメンタリー担当のディレクターである斉加尚代さんの新書。 一章の沖縄のドキュメンタリーのことを書いた章で、大阪の機動隊員が沖縄の基地反対派の老人に「この土人が」と、言ったことを思い出した。 私はとても容易にいろんなことを忘れて…

絵本「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」

とても応援したい近所の本屋さんの前を娘さんと通りかかったので「好きな本を一冊選び」とお店の中へ。 彼女はもう結構大きいのに選んだのはこれ。 ヨシタケシンスケさんは私は自分ではあまり選ばない作家さんだけど、娘さんは「図書館でハマってる」と言う…

本「私たちが声を上げるとき」(集英社新書)

またすごい新書を見つけてしまった。 声を上げている女性たちのうしろには多くの女性たちがいる(いた)ことを教えてくれる一冊。 そして誰かが「英雄」にかつがれるプロセスには、多くの政治的な意向や社会的背景があることも改めて考えさせられる。 ローザ…

本「東京ローズ」上坂冬子著

30代に入って必死で英語の勉強を始めた頃「茅ヶ崎英語」の教室に通ったことがある。 この英語勉強メソッドは日本の●●は英語ではこう言うのか!って発見がたくさんある。 (例えばこの教室で「相撲部屋の親方」のことをsumo masterということを知った。でもま…

本「漫画でわかる!認知症の人が見ている世界」

数年ぶりに会った大学時代の後輩に「昔、tototomotonさんが「私の知識の9割は漫画やからな」と言ってて驚いた」と言われた。 我ながら言いそうな事ですが、中年になった今も相変わらずいろんなことは漫画でインプットしています。 先月末に救急搬送で入院し…

本「マジカルグランマ」(柚木麻子著)

柚木麻子さんは女たちの群像を書かせたら絶対面白い作品を生み出す人だ。 この前紹介した柚木さんの「らんたん」が、100年前の女たちのシスターフッドなら、こっちは現代版。 その上、ものすごい捻りが効いている。 気をつけないとなという戒めも、 そうだよ…

詩集「寸志」 (茨木のり子作)

(あぁ、今日はしっかり話が通じる)と明るい気持ちで電話を切って2時間も経たずに「今日迎えに来てくれるのではないのか?」と父から電話がかかってくる。 こういうことに、少しずつ、慣れていかないといけないのだと思う。 でも「慣れる」ということが「一…

本「Empowerment エンパワーメント」大崎麻子著

エンパワーメントと言う言葉をよく聞くようになった。 最近、語源に興味があるのでまずは単語の意味を考えてみる。 単語の頭にくるENは「~する」という意味なのでパワーにエンがつくことで「力にする」「力をつける」という意味。 で、この単語は主に女性…

【本】I was born for this(Alice Oseman著)

この前からネットフリックスの「Heartstopper」の投稿も増えていましたが、沼にハマっていたのは私だけではなかったらしく、あっという間にシーズン2と3の制作が発表されました。 優しい物語が広がっていっていてうれしい。 この本は「Heartstopper」の原…