和田誠さんが亡くなった。
ふと本棚から取り出しただけでも4冊、和田さんが装丁された文庫本が出てきた。
もう、字が和田さんだからすぐわかる。
その中でも最近買った黒柳徹子さんが若かりし頃に一年間ニューヨークに滞在した時のエッセイ集がとてもすてきなのでご紹介。
黒柳徹子著「チャックより愛をこめて」(文春文庫)
この本は初版が1973年に出版されていて、黒柳徹子さんのあの有名な「窓際のトットちゃん」よりも前に書かれたエッセイ集。
あとがきで
新婚早々、装丁・レイアウトをやってくださった和田誠さん、写真えらびを手伝ってくださった永六輔さん、こういういろんな方のご親切で出来上がったのがこの本です。
と、書いていて(あぁ、和田さんはこの頃に平野レミさんと新婚だったんだ。。。)とほっこりする。
昨年文庫本にする際のあとがきで黒柳さんは
それからカバーのエアメールは、私がニューヨークから送ったものなんです。単行本のデザインを和田さんにお願いした時に、ニューヨーク関係の写真やメモや手紙なんかをバーッとお渡ししたの。その中から和田さんがこのエアメールを見つけ出して、ステキにコラージュしてくださったことを今思い出しました。
と、書いていている。
とにかくこのエッセイを読んでいると、黒柳徹子という人ができるまでにはトモエ学園やお母さまのちょっちゃんの影響も大きいけれど、自分で大人になってから真剣に模索して獲得した部分も大きいのだなと思う。
そしてとにかく人気絶頂だった当時に「行っておいで!」と背中を押した周りの俳優さんや女優さんたちのエピソードがたくさん知れて、その一つ一つに感謝できる若かりし頃の徹子さんがこれまた素敵。
そんなまわりのひとりだった和田誠さん。
たくさんの人や本や映画を愛してやまない方だったんだろうなと我が家で見つけた4冊の本を見ても思います。
ご冥福をお祈りします。