リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

棚からボタ餅は落ちてこない

なんのこっちゃのタイトルですが、最後の字幕翻訳の授業がオンラインで終了したので忘れないうちに。

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冒頭にみなさんの興味を惹くために、おいしそうなボタ餅の写真も載せておきます。

さて、今年は「交渉人」というサミュエル·ジェイ·ジャクソン主演の映画を訳していく授業だったのですが、最後の方の交渉シーンにこういうセリフがありました。

Well I can't give you what I don't have.

分け前をよこせと言われて、もう使ってしまったから断るときのセリフです。

私の字幕は無い袖は振れないにしました。

これね、、、言い訳するわけじゃないけど意味としてはダメじゃないですよ。

そういうシーンです。

 

ただ、話している人が白人警官で舞台はアメリカのシカゴです。

そこに住んでる西洋人が「振るような袖の服を着るか?=和風すぎる表現は字幕でも違和感がある」という話です。

 

先生曰く「同じ意味では棚からボタ餅も降ってこないですね。」

なにげなく観てる字幕、実は細部まで気を使って作られているんですね。

 

話は変わって最近調べた英単語にrooting for the underdogというのがあります。
最初に出てきた日本語の意味は「判官びいき

皆さん知ってました?これ源義経が由来らしい(絶対字幕にならないな)。

 

結局、日本語字幕を作るというのは日本語の樹海に分け入っていく作業でもあり、完全にぴったりな対訳はどの言語でも存在しなくて、すべて少しでも原文の意味に近いものを探る作業。

 

最後まで駄目な思い込みとか、勘違いとか、英語力不足とか、うっかりとか、たくさんやらかした受講でした。

それでもやっぱり楽しかった。

 

楽しい学びの時間はもうおしまいですが、言葉に対する敏感さと俊敏さは忘れずにいたいと思います。