思いのほか深い赤毛のアン沼にどっぶりと浸かっております。
馴染みのあるお話とはいえ、原作が書かれたのは1908年。
100年以上前のお話だけあって最初は読みにくく(なんたってモンゴメリーは与謝野晶子と同世代…)以前に購入していた河野万里子著「赤毛のアン 翻訳レッスン」を横において少しずつスタート。
数章ずつ季節ごとにアンの成長とグリーンゲイブルスの美しい自然を一部抜粋して一緒に翻訳してくれるこの本は、くじけそうになる時に(全部で38章もある)ものすごく頼りになる伴走者でした。
とはいえ、あっという間に読み終わったのはやっぱり原書のもつ力です。
もちろん当時カナダで差別されていたフランス系移民への差別的描写もあって時代の制約を感じるのも事実。
でも同時に「不安定なこの時代には女性も教育があったほうがいい」とマニラに語らせ、「男だったら神父になりたかった。どうして女性の神父はいないのかしら?もっと良い影響を社会にもたらせるのに」とアンに語らせたり、当時としては珍しく大学教育を受けた女性だったモンゴメリーが登場人物たちに語らせる言葉の先進性に驚かされる。
マニラ世代の大人になってから読むと、子どものころ大好きだった少女時代のアンの面白エピソードより後半の受験や進学、進路に悩む青春時代のアンが外見も内面もぐんぐん伸びていく様子にワクワクさせられる。
もちろんギルバートとの恋もやきもきさせられて、私の大好物のすれ違いがありえないほど勃発する少女漫画的展開の原型はここかも?(いやシェークスピアとかかもしらんけど)と思わせられる。
ドラマと原書のセリフが驚くほど一致していて、ドラマがいかに原書のエピソードもうまく盛り込みつつ、旧来のアン愛好者の視聴者をやきもきさせる展開にしているかも分かってこのタイミングで原書を読むと本当に何倍も楽しめます!
10年くらい前にアメリカのリサイクルショップの片隅で見つけた2.5ドル(もっと安かった気がする)の原書がここまでの興奮をもたらしてくれるとは!!