米原万里さんが好きな人にとったら文句なしに面白いです。
小森洋一、林真理子、児玉清、辻本清美、糸井重里、、、誰との対談もそれぞれに興味深いですが、ここはやっぱり仲良しのイタリア語通訳者・田丸公美子さんとの対談がとにかく楽しくて笑えます。
対談で、田丸さんの本「シモネッタのデカメロン」の話になって、いろんなイタリア人から聞いた下ネタを書いた田丸さんのエッセイについて米原さんが
米原:でも何でこんなにたくさんの色々なネタが集まったの?まさか毎回お客さんに性生活についてインタビューしてたの?
田丸:向こうから話すの。学生時代から聞かされる。
って、やり取りが目に飛び込んできてびっくりした。
ちょうど同じ日に須賀敦子さんの重厚なエッセイを読んだ後で、典型的イタリア男の話をイタリア語通訳の田丸さんと米原さんの対談で読む。
時々こんな偶然が起こるから本を読むって単純に面白いなと思う。
そしてやっぱり米原さんは須賀敦子さんを読んでいたんだなぁと思う
そりゃそうだよなぁ。
知性は共鳴しあう。
いろんな言語をあやつる翻訳者や通訳者の数が多いほどその国の文化は成熟する。
外国の文化や社会に精通してて、それを日本語で考察し発信してくれる人がたくさんいるということが日本の文化を豊かにすると思う。
最後に、この本の解説を書かれている黒岩幸子さんの文章を読みながらつくづく思った。
米原万里さん、もっと生きていて欲しかったなぁ。