彼女の文章はホームレス支援雑誌のBIG ISSUEで連載を読んでいたけど、まとめて本と言う形で読んだのはこれが初めて。
ほぼ同世代を生きてきた彼女の感覚は色んな所でとても自分に近いなと思う。
たとえば上野千鶴子さんのベストセラー「おひとり様の老後」を読んで感じた世代としての違和感とか。
一章一章は短いけれど印象的なエピソードとともにふと考えさせることが書かれているので、女として生きてきた歴史を振り返る意味でも、これから子育てしていく立場でも今の日本社会にある男にも女にもかけられている「呪い」を可視化するのは大事。
正直これを読んで「ここまで日本の男ってひどいかな?」と思う部分が自分にはある。
雨宮さん自身も繰り返し「そんな男の人ばかりではない」と書いている。
でもそれは早い時期に結婚し、周りにいる男性も(それなりに)あるべき男女の関係を共有できるようなコミュニティで生きてきたからなんだろうなと思う。
この本ではあるフレーズの中の男女だけを入れ替えた時、初めて違和感が見えるミラーリングという方法について書かれている。
これ脳内のトレーニングとしては結構大事かもしれない。
男も女も。
呪いは結構自覚すると解けるものだから。