これは紹介したいと思い続けてやっとブログ更新です。
コロナ自粛中に著者の木村元彦さんの「13坪の本屋の奇跡」を読んで熱い投稿をしたらそれを読んだ知り合いに「悪者見参」を勧められ、さっそく買いにいったのに書店に在庫がなくて代わりにこの本を薦められたのでした。
なのにスポーツに興味のない私は書店の方の熱い推薦も空しくそのまま本棚で眠ること10ヶ月。
くしくも「女性のいる会議は長い」発言の森会長が、後任に川淵さんを推したことがきっかけでこの文庫本はやっと目覚めた次第です。
川淵さんが日本サッカー協会会長というサッカー界の最高権力者だった時におこしたドーピングえん罪事件。
背景を全く知らないながら読み始めて衝撃を受ける。
当時13あったJリーグのチームドクター全員がおかしいと声を挙げたのに、もみ消そうとするサッカー協会。
とはいえ、理屈っぽいお医者さん同士のやり取りが続く前半は正直ちょっとダレかけた。
肝心の我那覇選手は前半ほとんど登場しない。
でも、この緻密な前半は後半で我那覇選手をはじめ、彼を支えたひとりひとりを輝かせるための大事な部分だということに、圧巻の後半で納得がいった。
どう考えてもおかしいことに、勇気を出して闘う人に、自分の問題だと立ち上がる人たちがいて、「たかが選手」と見くびっていた巨悪が倒れる。
サッカーファンじゃなくても誰が読んでも勇気の出る闘いの記録です。
ああ、木村さんはどんなテーマでも胸の熱くなる文章を綴られる方ですね。
文庫本の解説を書いてる武田砂鉄さんの文章も秀逸です。
そろそろ「悪者見参」も読んでみないと。
あ、「13坪の本屋の奇跡」の熱い投稿はこちら↓