津村記久子さんの話はとても共感して読めるのだけど、長編ともなると引きこもりの連休がうってつけだと思ってメルカリでサクッと購入。
なによりこの装丁がすごく好み。
ある意味ジャケ買いでしたが、内容も面白かったです。
ただ普通に考えて異常に登場人物が多いです。
最初の方は(この人誰だ?)ってなって最初に載せてくれている敷地図を見ながら読むという(面倒だなコレ)感がぬぐえないのですが、途中でハッと(人間関係ってそもそも面倒は避けて通れないのだった)と思い出すという臨場感(?)も味わえる一冊です。
設定自体は(そんなにみんな繋がっていくか?)って違和感が何故か受け入れてしまえるところが津村さんの文章の力。
満足して読み終わった後で、パラパラめくったTIME誌の「三月に読むべき本」の書評コーナーで津村さんの「この世にたやすい仕事はない」の英語版が紹介されていました。
最後の一文に驚いた。
著者の後期資本主義への 鋭い視点と考察が読者に新たな発見を与えてくれる
【勝手な訳です】
まぁ確かに今生きてる社会を俯瞰して、個別の事柄を有機的に見せてくれる津村さんの小説はそいういう感じなのかもな。