リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「ライブ!スウェーデンの中学校」宇野幹雄著

f:id:tototomoton:20210609003809j:plain

ちょっと機会があって、この本を読みました。

日本人で20年以上スウェーデンの中学校の先生をしている方がいることも驚きでしたが、その授業内容やシステムや子どもたちの様子が「ライブ!」とタイトルに付くだけあってかなり詳しく知ることができます。

 

最近子どもの通う中学校が毎朝8時から当番の風紀委員の生徒が校門に立って校則に違反している生徒に「風紀きっぷ」を渡しているということを知りました。

生徒に生徒を取り締まらせる。

それが生徒会活動の一環…。

お腹の底の方がどす黒い影に侵食されるような何とも言えない気持ちになります。

 

さて、海の向こうのスウェーデンでは子どもたちは「国会」と言う名の「生徒会」のような活動があって、三つの委員会活動があるそうです。

どの委員会もかなり主体的。

 

f:id:tototomoton:20210609004337j:plain

それぞれの活動がどれもかなり面白く、「授業委員会」なんて宿題やテストのスケジュールに偏りがないかチェックしたり、生徒側からの授業に対する不満点を教師に伝え授業計画の再考をうながしたりするらしい!!

 

「イジメをなくす委員会」があるということは、当然スウェーデンにもいじめはある。

いくら少人数でも、いくら教育水準が高くても、福祉国家でも、学校にいじめはある。

でも一番印象に残ったのはこの委員会の生徒ケアチームは「イジメをする生徒」に対して連携して話を聞き、問題解決に向かうということ。

問題を抱えているのは「イジメる側」だという当たり前の認識の上でしか、この問題は良い方向に向かわないと心底思う。

 

なんだか読んでいて気持ちの良くなる、風通しのよいシステムが多い。

 

かと思えば、意外に会議が大好きな国民性だったりして、面白い職員会議のやり方まで出てきて興味深い。

 

同時に、アル中や家庭内暴力、薬物中毒の問題もしっかり取り上げていて、現場の教師の視点から書かれているので福祉国家バラ色」って話ではないところも、そのしんどさも含め、どう子どもたちの学校での学びに生かすのかという視点もとても読み応えがあった。

 

教育関係者はもちろん、そうじゃなくても、結構楽しめる本です。

それにしても表紙の写真もそうですが、学校の建物が素敵すぎる。

何なんだ、この北欧のデザイン力は!!!