生まれた時からお世話になってきたおっちゃんが享年94歳で亡くなった。
その中でも私と姉は本当に赤ん坊の頃からお世話になり続け、進学すれば制服の写真を撮ってくれ、高校に合格すれば通学用の自転車も買ってもらった。
お通夜でおっちゃんの弟や妹から若い頃のおっちゃんの話を聞いて、みんなで笑って、何度も棺のおっちゃんの顔を覗き込んだ夜。
母が作ってきたお弁当と買い出してきたたくさんのご飯を食べながら葬儀の朝を迎えた。
喪主を務めた88歳のおばちゃんは、去年弟を亡くしたばかり。
葬儀で「良い人生だったと思います。弟の時はかわいそうで焼き場にもいけませんでしたが、今日はしっかり見送ってあげようと思います」とおばちゃんは言った。
格好良かった。
「新婚の時は私ががイーゼル建てて絵を描いて、その横であの人が近所の子供に書道を教えててん」と言っていた。
映画のシーンのような若い2人を想像して、日常に戻ってもまだ1人で自転車を漕いでいると涙ぐんでしまう。
「オマエはホンマにアカンタレやったなぁ」と、おっちゃんは大人になってからもよく言っていた。
成長の過程でおっちゃんが与えてくれた安心感と文化がどれほどありがたいものだったかはこれからも私を涙ぐませると思うけど、ちょっとしっかりしないとな。
おっちゃん、ありがとう。