リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

映画「MINAMATA」

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ジョニー・デップのドロ沼DV裁判の影響で、アメリカでは公開が延期になり、まだ公開のスケジュールがTBA(To Be Adviced=未定と配給会社のMGMが言っている)ですが、日本では今月23日から観れます。

 

初日に父親と観てきた我が家の中学生に「観に行った方がいいんちゃう?」と言われたので、先日行ってきました。

 

とても良質な映画だと思う。

 

ジョニー・デップもですが、私の好きなイギリス人俳優ビル・ナイの演技も素晴らしいし、日本側の俳優陣も誠実に丁寧に大切に、自分の役を受け止めて演じていることがスクリーンが伝わってくる作品だった。

 

映像も外国人が作る日本の映画なので違和感が全くないとは言わない。

でもその違和感は驚異的に少なかった

 

70年代の水俣を再現するには今の水俣では発展しすぎていたためにセルビアモンテネグロで撮影がされたことを後でパンフレットを読んで知った。

それでも、自然の音は水俣でたくさん録音され、衣装はすべていちから作られた。

 

抗議活動のシーンで、キャストとエキストラ全員の衣装を用意したバイロヴィッチは「白い布に書く日本語の文字を絶対に間違いたくなかった。日本語の教授に相談したところ、この50年の間にいくつかの文字がすこし変化していることが分かったので、すべての文字を正しく書くように指導してもらった」と振り返る。

(パンフレット17ページより)

 

制作陣の水俣で闘う人たちに対するレスペクトが、極限まで違和感を少なくしたのだと思う。

 

今日、アメリカ人の英会話の先生に「一人のスキャンダルで一つの映画がキャンセルされることについてどう思う?」と聞いた時の答えがとてもしっくりきた。

 

「ワインスタインのやったセクハラで彼が世に出した名作映画が葬られるべきじゃないし、同じことが今回も言える。

正直いって僕はジョニー・デップはFragile Ego(危ういエゴ)を抱えた人な気はするからDVのニュースにも驚かなかったよ。でも、だからと言って映画にはたくさんの人が関わり、重要なテーマが詰め込まれてる。嫌な人には観ない選択肢もある。スクリーンで観ることそのものを抑制するのは違うと思う」

アメリカでも、他の国でも公開されることを願ってやみません。

 

もちろんこの映画を観れば水俣病は全然終わった話ではなく、今につながる問題(エンド・ロールまで見逃さず観てほしい)だということも分かります。

 

これについては今夜配信されたChoose Life Projectの映像を貼り付けます。

アイリーン・美緒子・スミスさんも出演されています。

 

www.youtube.com