リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

ムビリオバトルで負けた

本日のムビリオバトルのテーマは「色」

私はこの作品で参戦しました。

 

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「あなたの名前を呼べたなら」

残念ながら負けてしまいましたが、負けても文句なしに楽しいのがムビリオバトル!

 

今回のために改めて見直したら、新たな発見もあって同じ作品を何度も見るのも良いものです。

でも、やっぱり勝って大きいスクリーンで観たかったなぁ(結局悔しい)

次回のテーマは「しごと」です。

皆様もよかったらお気軽にご参加ください。

 

恒例になってきましたが5分間のプレゼン用に原稿を書いたので載せておく。

 

今回のテーマ「色」で思い出したのは「あなたの名前をよべたなら」という作品です。この作品はインドの田舎出身の未亡人が都会に出てメイドになり、ご主人と恋に落ちる恋愛ものです。フランス・インド合作映画なのですが、ロヘナ・ゲラ監督はこの映画が初めての監督作品であるインド人の女性です。

アメリカで学び、パリで暮らした経験もある彼女が作ったこの作品はフランス的に洗練された色使いも、インドの祭りや風景の色に加えてヒロインの纏う布の色で心情が表現されていて、画面に差し込まれる色がその時々でとても印象的な作品です。

さらに字幕で観る私たちには分かりにくいですが、登場人物が使う言葉にも注目したい。

主人公ラトナの出身地のマラーティー語と都会で話されるヒンディー語、ご主人様であるアシュヴィンに話すときの英語と一人の人間が使い分ける言語もまたカラフルです。

相手役のアシュヴィンもインドの富裕層なので、家族や友人とはすごく早い英語で話します。同じ国の中でこれほど使われる言語が違うということも驚きですが、そのくっきりと階級の別れているインド社会ではありえない恋物語をあえて作った監督の想いを改めて考えさせられます。

監督自身がインドにいた時には自分の家にもメイドいて、ナニーに育てられたそうです。海外生活をする中で外からインド社会を見たときに感じた違和感。インタビューで「スタンフォードイデオロギーや哲学に出会い色んなことを学んだあと、インドに帰国すると以前と全く同じ状況でした」と、その複雑な心境を語っています。

監督が「「私たちは、どのようにして人を愛する許可を自分に与えるのか」ということを、この作品を通して問いたかった。とはいえ決して説教臭くしたくなかったし、彼女を「被害者」として描くことは絶対にしたくありませんでした」と語っているだけあって、主人公のラトナの生命力は本当に説得力がある。主役を演じた女優さんは「絶対に自分がこの役をやる」とマラーティー語も体得して役に挑んだそうです。

アシュヴィン役を演じた俳優さんはインド系のシンガポール人。

監督も「インドには良い俳優が多くいますが、アシュヴィンの境遇を心から理解できる俳優が必要だった」と監督が語るほど、この作品が今のインドでは想定されえない恋物語であることが分かります。

とはいえ、あり得ない人と恋に落ちたり、身分違いの恋に苦しんだり、すれちがったりと恋愛ものの王道を抑えてあってシンプルにドキドキできる作品です。

そして、小さい画面で観るよりも劇場の大きなスクリーンで観る方が見ごたえのある作品でもあります。

是非カラフルな世界をぜひ一緒に楽しみましょう。

 

 あ、最後にこの映画を劇場で観た後に書いた当時の投稿も載せておきます。

もう三年も前の作品なのか…。びっくり。

tototomoton.hatenablog.com