「昔はよかったねといつも口にしながら生きていくのは本当に嫌だから」と歌ったのはマキハラでしたかね?
でもこの18年前の古雑誌は街ライブラリーで見つけてあまりの力のこもった特集に頭がクラクラ。
「昔の方が良かった」ものばかりではないことは重々承知の上で、付録なんかなくても中身が作り込んである雑誌と、戦前戦後の日本のモダニズム建築は「昔のは良いよなぁ」と思う。
と、いうことでこれはどう考えてもマイ保存版が欲しくなってメルカリで400円で購入してしまった。
日本に残るモダニズム建築物をカバーしまくる内容のみならず、どんどん潰されていく名建築への危機感も読者と共有する内容は表紙の浜崎あゆみさんを一瞥しただけでは、計り知れなかった。
これが発行された前年に潰された同潤会アパートへの狂おしいまでの愛着を、控えめではあるものの当時の為政者(=石原慎太郎ね)への静かな異議申し立てに昇華させているところも素晴らしい。
ちなみに都では昨年、日本建築学会などから保存の要望が出されていた同潤会大塚女子アパートを解体。それに対して起こされた行政訴訟について石原知事は「古いものを残そうってのは人間のセンチメントとして分かりますよ。しかし、そんなことを言ったら町ってのはなかなか再生されてこないんでね」と記者会見でコメント。(37ページより引用)
別のページでは
この裁判で東京地裁が「(解体は)考慮すべき要素をまったく考慮せず結論を導いたのも裁量権を逸脱した疑いがある」と都の判断を非難する判決をくだした。
ことも伝えている。
何でもかんでも壊してしまったら取り返しがつきませんよ。
と、いうことをオシャレに、品よく、具体的に教えてくれる一冊です。
今度上京したらモダニズム建築詣がしたい、、、。