昨日、母と一緒に観てきた。
予想をはるかに超えてよい作品だった。
読書会がなぜ行われるようになったのかを描く冒頭のシーンから引き込まれる。
切り取とられる構図の美しさには何度も息をのむ。
特に指輪の光が薄暗い部屋で反射するシーンは一枚の絵画を観ている気持ちになった。
何重にも張り巡らされた謎がすこしずつほぐれていく手法も、それぞれの登場人物の描かれ方も、それぞれが選ぶ本の一節まですべてが美しく調和した作品だと思う。
同時にこの映画はイギリスでも子供が疎開し、人々が占領下におかれ、自由に集まることもできない時代があった事を教えてくれる。
私は第二次世界大戦に負けた自国の悲惨さをたくさん習ってきたけれど、ドイツ、イタリア、日本に攻め込まれた国の側の、それも戦後の事を正直あまり知らない。
戦勝国だからといっても普通に暮らす人たちは空襲をうけ、家族を奪われたのだ。
そのことが、戦後のガーンジー島の美しい自然の中で回想するからこそ、よりリアルに私たちに迫ってくる。
改めて勝とうが負けようが戦争はアカンということも思い出させてくれる作品です。
是非大きなスクリーンで観ることをお勧めします。
ちなみに字幕は牧野琴子さんでした。
イギリス映画たくさん翻訳されてます。