ああぁもう好みドストライクの作品でした。
そりゃ雑な設定と言えなくもない箇所もありますが、それを補って余りある制作陣のビートルズ愛が半端ない。
今回はこの前みた「ガーンジー島の読書会の秘密」でも主役だったリリー·ジェームスがヒロインなんだけど、まったく印象が違う。
すごくかわいい等身大の女性を演じててこの人とにかくいいわぁと思う。
で、この映画は音楽ができる主役が間違いなくキーなんだけどヒメーシュ·パテルがほんっとにはまり役でびっくりした。
パンフレットで脚本のリチャード·カーティスが
彼がそれほど有名じゃないという点も、映画にとっては有利だった。知らない俳優が演じる方が、クールじゃないか。またアジア系が主役とは考えていなかったが、自然の流れでそうなったんだ。
と、語っている。
私は毎回ピンとこないけど、欧米でインド人っぽい見た目の人はアジア系なんだよねぇ。
インドはアジア。
濃い顔のアジア人。
東の端っこでのっぺりした顔の私はアジアは広いなと思う。
このところ世界規模ではホットな男性といえばアジア系って流れがある気がする。
私もその波にどっぷりつかってジャック役のヒメーシュ·パテルにキュンキュンさせていただきました。
はい、ここから真面目に字幕の話。
字幕は牧野琴子さん。
何がすごいって大胆な訳が違和感なく収まっているところ。
例えば最後の方のシーンで地元に里帰りした息子のコンサートを見に来た両親が控室に挨拶に来るシーン。
控室の大きなサンドイッチのお皿をみて父親が「それ全部食べる?持って行ってみんなで食べていい?」とお皿ごと持っていくシーン。
後をついて出て行った母親が扉を閉める直前にきまり悪そうに「sorry」と言う。
そこについてた字幕が「ありがとう」だった!
原文を知ってたら「ごめんね」って私はしてしまう気がする。
だってソーリーだから!
でも、流れを考えるなら故郷に錦を飾る誇らしい息子に、母親はこの時、「ありがとう」と言うと思う。
言葉を置き換えるってこういう「空気」を伝えることなんだなぁとこの一言に、えらく感動してしまった。
とにかくいろんな意味で見どころ、聴き所満載の映画です。
是非劇場で!