リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

映画「マダム・イン・ニューヨーク」

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「旅」がテーマのムビリオ・バトル(今回はリモート)に参加しました。

一応はじめて参加するので5分間のブレゼン用に文章を作文したので以下に貼り付けます。

 

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日本語のタイトルを見れば分かると思いますが、旅する先はニューヨークです。

どこからかといえばインドです。そうインド映画です。 

 

旅がテーマである以上、観る前の自分は知らなかった新しい世界を見せてもらえる作品が良いかなと思ってセレクトしました。

2012年のインドとニューヨークが両方楽しめる作品です。

 

私が映画を判断する基準は3つあります。

1つは冒頭から引き込まれる作品であること。

驚きでも、画面の美しさでも何でもいいですが、とにかくしっかりその映画の世界に引き込んでくれる力が良い映画は最初のカットからあると思います。その意味でこの映画の冒頭はとても美しいです。

 

2つ目はわき役も含めて登場人物がみんなちゃんと描かれていること。

インド映画のイメージとして設定がわかりやすくドラマチックで、唐突に踊りだすという思い込みが私にはあって、これはインド映画に慣れていないと(なんでこの人は突然おどりだした?)って登場人物のキャラ設定がブレブレになると思うんです。

この映画ももちろん踊ります。その意味で踊るインド映画好きの人にとっても満足できるんです。とはいえ自然にそのシーンが組み込まれていているのでインド映画ビギナーの人でも大丈夫です。

監督のガウリ·シンデーは1973年生まれのインド人女性。この映画を作ったのは40歳くらいの時ですが、日本に来日したときのインタビューで「私自身、脈絡なく踊りだすとかは、はっきり言って理解できない」と答えているだけあってそのさじ加減が絶妙です。

 

そして3つ目は前向きなこと。

私は単純なので観終わった後にじんわり元気がでたり、

そうだよなぁ。人間って成長するよなぁ!現状って変えていけるよなぁというエンパワー映画が好きなんですが、これはそういう作品です。

 

主人公が周りからの評価で自分に自信が持てないという状況を変えていくきっかけは「英語」です。私も万年英語学習者なので特にそうだったかもしれませんが外国語を習得しようとしたことのある人ならとにかく共感ポイントがそこかしこにあって、主人公ももちろん英語の上達と共に自信を付けていくので応援したくなります。

 

その意味で母国語ではない言語をなぜ学ぶのか?の問いに答えてくれる作品でもあると思います。

どんどん輝きだす主人公をみながら「他の人より何かができる自分」にゆがんだ自信をつけるのではなくて、何かに努力を続けられた自分、昨日よりも分かることが増えた自分への信頼がその人の核になるんだなぁと思います。

そしてその積み重ねで自分と周りの関係を変化させていく主人公の姿は爽快です。

 

とはいえ英語のお陰でインド人の主人公が自分の成長に自信をつけるだけだと、私を含めた世界中の非英語話者からしたら「結局は世界を支配する言語は英語って話かよ!」っていう不公平感が漂いませんか?

 

安心してください。これはハリウッドに対抗するボリウッドを世界に広めているインドの映画です。 セリフの端々でいろんな人にインド人としてのアイデンティティーをくすぐる名言を語らせたり、語学学校に集まる各国の生徒からその辺の不公平感を語らせたりしてて、英語が母国語でない人は首がもげるほど頷いてしまうシーンもたくさんあります。

 

何より最後のシーンの主人公のセリフが秀逸です。 ネタバレになるので言いませんが、ぜひ観てもらって共感してもらえたらと思います。

 

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初参戦の結果は負けましたが、毎回ムビリオバトルは世の中こんなにマニアックに映画を観てる人がいるのかぁと新鮮な驚きに包まれます。

参考までに参加者のおすすめ「旅」映画を載せておきます。

 

1)ブックスマート

2)サマータイムマシーンブルース

3)ファイナルガールズ

4)コック・ファイター

5)木を植えた男

 

次回のテーマは「時代」らしい。

なんかあるかなぁ?