年末に観たこの作品。
ニューヨークのロシア料理でほっこりハートウォーミングな映画と思ってたら完全に予想を裏切られます。
でもだからこそ忘れがたい作品です。
別に特においしそうなロシア料理は出てこず、どちらかと言えば疲れた人や、スープキッチンで配られる口の水分が奪われそうなパンが出てきます。
そして主人公の夫がめちゃくちゃ怖い!!!
もう心臓がどきどきするほど怖い。
男前が怖い役をすると恐怖のマシマシ感がすごいです。
それと対照的にこどもたちは天使みたいな見た目で、いじらしく、切なく、観る人はみんな(ちょっと早くなんとかしてー)と思う。
でも大都会のニューヨークでそんなに都合よく救世主は現れない。
皆なんだか不器用で、疲れていて、傷ついている。
中でもお母さん役の女優さんがイタイ感じの夢見がちさと、痛みのマヒしてしまった人特有の判断力の鈍さと、必死な母性の表現がリアルですごく良かった。
簡単に解決しないけど、人は出会って少しだけ暖かさを分け合える。
そういう救いも最後には残してくれる映画でした。