リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「東京ローズ」上坂冬子著

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30代に入って必死で英語の勉強を始めた頃「茅ヶ崎英語」の教室に通ったことがある。

 

この英語勉強メソッドは日本の●●は英語ではこう言うのか!って発見がたくさんある。

(例えばこの教室で「相撲部屋の親方」のことをsumo masterということを知った。でもまだ一度も日常会話では使ったことがない、、、)

 

あー、また前置きが長くなったけど、その教室の先生の本棚に「東京ローズ」の本が何冊か並んでいたことを記憶している。

 

それを思い出して、手に取ったらものすごい面白かった。

 

日系アメリカ人二世の女性が、たまたま日本に滞在中に日米の戦争が激しくなり、アメリカに帰国せずに日本で軍のプロパガンダラジオ放送をしていたことも、その後、巣鴨拘置所に入れられ、釈放された後はアメリカに帰国するも「国家反逆罪」で市民権がないままサンフランシスコに住んでいたことも初めて知った。

 

東京ローズと呼ばれたその女性はその後アメリカで市民権を取り戻したけれど、戦争前後に日本には少なくない数の外国人がいて、人生を翻弄されたことがよく分かる。

 

特に驚いたのが戦争中の外国に向けた日本からのプロパガンダラジオ放送の存在。

 

その放送に従事した戦争捕虜が生活していた場所の記述を読んで驚いた。

数ヶ月前に上京した時にたまたま友人が連れていってくれた場所だったからだ。

 

文化学院が軍に接収されて捕虜収容所になったんだよね」と何気なく歩きながら友人が教えてくれた。

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この場所で80年前にさまざまな国籍の戦争捕虜たちが生活していたことが、この本を読むとリアルに迫ってくる。

 

従順に見せかけて、本国にだけわかるように日本軍への反感を盛り込んだ放送をする捕虜たち、それをわかっていて見逃した日本人もいた。

 

戦後の報道がどれほど玉石混交であったかもよくわかる。

 

著者はなんども「真実は藪の中」と書いている割に、なかなかしつこく人に会いにいく。

当事者が生きているうちに、よくもこれだけ聞き取ったものだと思う。

 

それだけ、いざ戦争になると人の人生がいかに国家に吹き飛ばされるかを著者は記録しておきたかったのだと思う。

 

80年後の今、現在進行形でニュースではウクライナとロシアの戦争捕虜のことが伝えられる。

 

わたしたちが歴史から、暮らしを吹き飛ばされる庶民の視点で学べることはたくさんある。

 

戦争にさせないために、多くの書き手が残してくれたこう言うストーリーを改めて掘り起こしたい。