落合寿和著「映画の字幕ナビ」を読み終わったのでもう少し忘備録として感想を書いておく。
「字幕は1秒4文字」は最初に学校でも習った字幕のルール。
これは字幕を「作る」側からとったら苦しいけれど、「読む」側から言えばそれ以上は映画を楽しむうえで邪魔になる目安。
本書では
「とにかく「1秒4文字」は目安であり、例外もたくさんあるのです。その例外を駆使して仕上げるのは大変ですが、「1秒4文字」を絶対視するから大変なのではなく、全体のバランスを見る事が大変なのです。
とある。
勉強中は基本的に常に1秒4文字を意識しつつも、この本に書かれてる例外は知っておくことが大事だと思った(詳細は省きますが)
もうひとつ。
「を」で止める字幕は私も授業で注意されたことがあります。
例えば、
「確認を(とってくれ)」
「新聞を?(いりますか)」みたいにすると劇的に字数が減るのです。
でも、実際の生活で「を」で止めて話す人ってそんなにいない(笑)
本書では
「制約が多い字幕なので、とにかくできるだけ多くの表現を考えてみることが大事じゃないかと思います。(中略)いずれにせよ字幕をつくっている人間として、先述のような字幕に出くわすと「この字幕作っている人、1文字1文字考えながら原稿作っていなさそうだなぁ。脚本書いている人は1語1語、言葉を選んで原稿を作っているだろうにね」と思う事があります。」
本当にこの本読んでてドキッとする指摘が多かった。。。
とにかく一冊の中に映画と字幕への愛とこだわり、ふがいない字幕への焦燥感と業界への問題意識もがぎっしり詰まっています。
久々に赤線を引きつつ読みました。
これから近くにおいて、事あるごとに読み返したいと思います。
万人におすすめかどうかはわかりませんが、これを書いてくれた落合寿和さんと出版社のスティングレイに私は感謝です。