先日久しぶりに帰省して衝撃を受けました。
かつて自分の部屋だった四畳半が扉も開き切らない程モノにあふれておりました。
徹底的に捨てまくり、どうしても「もったいない」と思うものはスーツケース2つにつめて宅急便で自宅に送る。
古本屋さんに売ったり、フリマアプリのメルカリで売る。
私メルカリの回し者ではありませんが、何でも世の中には欲しい人がいるんです。
のれんだろうと、はらまきだろうと、何でも売れます(安ければ)
お陰で自分の断捨離にも弾みが付き、実家までの往復の交通費とスーツケースを宅急便で送った費用を差し引いても売り上げでおつりがきました。
何よりも物が減ったことが快感です。
で、ふと考える。
何でものが減ったことを快感に覚えるほど、私たちの(少なくとも私の周りは)生活はモノがあふれているのだろうと。
で、この本です。
原発事故をきっかけに電気を使わない暮らしを始めた新聞記者の著者が、洗濯機、掃除機、冷蔵庫、クーラーとどんどん捨てていき、とうとう仕事と言う肩書まで捨ててしまう様子を綴っています。
こう書くと、そんな極端なと思いますが、内容はどこから切り取ってもとても考えを深めてくれます(しかも文章が面白い)。
そしてハッとすることがすらっと書いてある。
今我が国では、食べられるのに捨てられる食品が年632万トン(学校の25メートルプールに1万杯以上)もあって、その約半分が家庭から出ているらしい。ここに「食べられなくなって(腐って)捨てられる」食品を加えたらどれほど膨大な量になることだろう。【139ページより引用】
身に覚えがありすぎてヒーっと思う方はぜひ読んでみてください。
少なくとも私はヒーっと思って読み進めてよかったです。
結局どれだけ捨てても、物に包まれる安心感という幻想をわたしたちが持ち続ける限りはこの断捨離ごっこは続くのだ。
まぁ、世代もあるし、生きてきた時代も違うので、母にこの本を勧めようとは思いませんが(笑)私がモノを処分する際にも、母と向き合う際にも参考になった一冊です。