リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「町山智浩のアメリカ流れ者」と中国の映画のこと

町山智浩アメリカ流れ者」(町山智浩著・2018年)をパラパラと読んでいる。

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アメリカ流れ者

友人に彼の映画評のラジオを薦められて聞いたら面白かったのと、町山さんが流れ着いたアメリカの地がカリフォルニア州バークレーだった事がこの本をレジまで運ぶ原動力になった。

 

私も以前暮らしていたこの町に今もお住まいの町山さん。

それだけでもううらやましい!

それに尽き、、、てはいけないので感想を。

この本、面白いです。

映画にかかわる人たちへの愛情にあふれ、作品の裏話もいちいち興味深く、作品ごとに数ページなのでどっからでも読める。

 

で、最後に紹介している「トランスフォーマー/ロストエイジ」で、ハリウッド超大作と中国資本のことに触れている。

 

なんでこのことが気になっていたかというと、来年公開される「トップ·ガン2020」でトム・クルーズが着ている上着の旗の模様が変えられてるという記事を読んだから↓

www.japantimes.co.jp

日本と台湾の旗が違う模様になってて、米中合作だから中国側に忖度したと大騒ぎに。

 

確かに町山さんのこの本を読んでて「そりゃそれくらいやるよなぁ」と納得がいった。

中国ではスクリーンの数が一日に10から13ずつ増えており、10年以内に6万スクリーンに届くともいわれています。(中略)世界の映画界は中国に向かっています。

(ちなみに日本のスクリーン数は3300くらいだとか)

 

私がレイトショーとかマイナーな映画をえらびがちだからかもしれないですが、ほんとに貸し切りかよ!ってくらい劇場に人が観に来ていない日本の状況との差に愕然とする。

 

日本では興行収入10億超えたらかなりヒット作ですが、中国では「コケても10億」らしい↓

 

www.itmedia.co.jp

 

そして、今年2019年はとうとうアメリカを抜いて中国が世界一位の映画市場になることは、ほぼ確実だとか。

 

で、この本の締めのコラムでこの作品を取り上げた町山さんは、

スポンサー企業の意向を盛り込むために時間がのび、おかしな筋書きになり(ここの描写が本当に笑えないけど面白い!)通りすがりに唐突に中国の金メダルボクサーが登場するこの映画を

 

「これが映画の未来なんだ!これが世界で一番儲けている映画なんだ!」と思いながら本作を観ていると、本当にうんざり、、、いや、最高の気持ちになりました。

 

という一文でこの本を締めくくった。

こんな感じでちょっといろんなことにイラつきつつも、映画を愛してやまない感じがとてもキュートな映画評です。

 

皆さまもよければご一読ください。