アフリカ出身、サコ学長、日本を語る(ウスビ·サコ著)

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サコ学長、日本を語る

子どもが中学校に入学した。

厳しい部活の上下関係、意味不明の校則、「将来社会に出て困らないために」という先生の口癖まで、自分が中学生だった30年前と変わっていないことに衝撃を受ける。

 

日本で生まれて生きてきた私でも「なんでやねん!」と思う日本の教育現場なのだから、マリ共和国出身で京都精華大学の学長になったサコさんが感じる違和感は相当なものだ。

 

私から見た日本の教育はいわば「今の社会システムや社会構造を維持したい」という中高年の思いに、子どもや学生、若者がふりまわされている状態、である。(中略)「早く大学を決めて、早く就職活動して早く就職しないと遅れる」などと、大人は学生たちの不安を煽るが、人生百年の時代に、一体何に遅れるというのか。

 

この本を読んでそうだよなぁと思った点はたくさんあるけど、例えばこの個所↓

 

日本の子どもたちを取り巻く環境で最も懸念するのは、日々の生活にまつわるあらゆる要素が学校に集結し、人生そのものが学校中心になっている現状だ。(中略)運動部など部活のある子は朝いちばんに学校に行き、夜遅くに帰って来て寝る。家でゆっくり趣味の本を読むとか、何かふざけた映画でも観ようという暇すらないようだ。(中略)しかし日本の親は、そんな状況に安心していると聞き、さらにビックリする。「部活に入っているから、余計な趣味に気が散らなくて安心」などと言うのだから、

わけがわからない。それって逆じゃないの?

 

子どもの部活のスケジュールを見るにつけても過度な部活動って先生の労働条件を考えても、生徒と教師のどちらも幸せにしないシステムだと思う。

 

ゆったりとした時間の中で余暇を過ごし、専門を深め、うんちくも遊び心も好奇心もいっぱいにする。

多感で不安定な時期の子どもに向き合う教師にはそういうゆとりこそ携えていてほしい。

 

コロナ禍で物理的に外国に行けなくても、外国から来て日本に暮らしている人の視点を読むことは世界に目を開いてくれる。

 

前半のマリでの子ども時代から進学し、中国に国費留学し、日本にたどり着き、日本で家族を作る・・・すべての過程が面白くカルチャーショックを日本にいながら体験できる一冊です。