リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」(内藤正典著)

なんのこっちゃな写真ですが(笑)この本を今日、読み終わりました。

だいぶいろんなことが整理された。

 

少子化なんだから外国人いれなきゃ日本は先細りでしぼむしかない」

「外国人が増えると治安が悪くなる。違法滞在の人は出て行ってもらうしかない」

 

相反する意見の様でいて、この二つの主張はどちらも、外国人を「労働力」として扱い「人間」として見ていない点でとても似ている。

 

著者は冷静な分析で移民の歴史、日本が労働力として色んな「タテマエ」を掲げつつ、外国人を「労働力」として活用してきた経緯、その結果吹き出してきた課題に対応できなくなって追い返そうとしている矛盾を突く。

 

でも同時に、どこの国だってバラ色の解決や多様性豊かな社会を実現しているわけでも、モデルケースがあるわけでもなく、多文化共生というのは生半可なことではないと教えてくれる。

 

読みながら自分の過去の行いに、のたうち回りたくなった。

アメリカにいた時、イラン人の若いクラスメイトと話していて、瞳以外はほぼ隠れている格好の彼女が「体育もこの格好でする」と教えてくれた。

 

想像したら楽しくて「へー」っと驚く私をニコニコ笑ってその子は見ていた。

 

でも彼女が「将来はお父さんが選んでくれた人と結婚したい。お父さんは私に一番いい人を選んでくれる」と言ったとき、私の驚く顔には多分批判めいたものが浮かんだのだと思う。皮肉な笑いすら浮かべたかもしれない。

今思えば(あぁ分かり合えないな)と彼女に思わせたのだと思う。

 

この本は最後に「外国人と仲良くするための10のヒント」が書いてある。

その10を読んでハッとした。

 

「人間も社会も「進歩するものだ」と思いこまないこと。

人間や社会が時代と共に変化するとき、それを「進歩」だと信じてきたのは、西欧社会の特徴です。(中略)しかしこれもどこでも通用する考え方ではないのです。日本に来た人が、仮に、今の日本では通用しなくなった「古い価値観」を持っていたとして、「遅れた人間」扱いしてしまうと、私たちの価値を上から押し付けることになりかねません。

もう、本当に気をつけよう。

今日から気をつけよう。

価値観のアップデイトは今からだって遅くない。