リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

漫画「異国日記」(ヤマシタトモコ作)

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昨日、今年の公立の医大の受験合格者の比率が歴史上初めて男女で入れ替わって女子の方が多くなったと言うニュースを読んで、この漫画を再読した。

 

これは最新刊の8巻だけど、確かこの前巻に、東京医科大学の受験で男子受験者が優遇されていたニュースを知って主人公の友達の女子学生がショックを受けて学校に来れなくなり、朴訥な男子学生が彼女の怒りに立ちすくみ、自分の自覚のなさに気づくエピソードがあった。

 

私自身もあのニュースを知った時ひどいと思ったけど、当事者の痛みまでを本当には感じられてはいなかったと、この漫画を読んで気づいた。

 

今年の受験シーズンも追い詰められた高校生の事件が相次いでいる。

 

ここまで子どもたちを追い込む制度を前に、真剣な受験をすり抜けて進路選択を行き当たりばったりにしながら大人になってしまった自分は途方に暮れる。

 

でも、私も女の子を育てている。

 

だからこんなクソッタレな世の中で、やっと明るみに出た事実の後で、医者を目指して受験した多くの女の子たちにエールを送りたい。

 

そして人が自分が自分でいるために精一杯あがく様をこんなに研ぎ澄ました表現で目の前に展開してくれる漫画家さんは稀有な存在だと思う。

 

「しんどいこと」や「おかしいこと」の先に「当事者」がいる。

 

異国のように感じるこの国で本当は自分も当事者であることを気づかせてくれる作品です。