映画「ウエスト・サイド・ストーリー」を観てきた。
イントロから怒涛のように続く集団でのダンスのシーンはさすがに圧巻。
大スクリーンと良質な音響の劇場で観るのにうってつけのエンタメ作品でした。
プエルトリコ移民の女性に「Go back to the place where you are from(自分の国に帰れ」と貧困層の白人の若者が言うシーンは、その前に彼女が高らかに「アメリカ賛歌」を歌って踊るナンバーがあるだけに、グッとくる。
移民排斥の世論も根強く、分断が進むアメリカの今をとらえた演出はさすがだと思う。
主役のふたりの歌唱力も文句なしにスゴイ。
とはいえ、もともとのストーリーがあるからどうしようもないのかもですが、恋に落ちるシーンがあまりに謎でちょっとスンッって冷静になってしまった。
謎の孔雀みたいな踊り(旧作品にあるのかな?)
特に内面的なかかわりもなく急に恋に落ちる若者
その後にその「愛」の力をガンガン押し出してくるわりに、根拠になる「二人の恋」の部分が良く分からないのでストーリーとして没入できない感は最後まで残る。
お兄さんと妹の関係の描き方も雑過ぎないか?
旧作品は60年代の映画で私は小さい頃に「おっちゃん」のうちで見せてもらった覚えがあるけど、おっちゃんが「かっこええやろー」と言ったことしか覚えていない、、、。
今旧作品を観てから判断したら今回の映画の印象も変わるのかもしれませんがこの作品が「スピルバーグの最高傑作」って程ではないと思う。
(同じスピルバーグなら「ペンタゴン・ペーパーズ」の方が作品としてすごいと思う)
余談ですが、主役の男性俳優のスキャンダルが2020年にかつての交際女性から起こされていることをあとで知った。
ただこれについては双方のインスタの投稿を念のため読んだけど、私は態度が定まらないでいる。
17歳と20歳の男女がセックスをしたとして関係性はどうあれ別れた後4年たって彼女の方の一方的主張(のちに女性はインスタを削除)で、男性側だけが責めを負うのは、ワインスタインとかのケースとは別ものだと思う。
(その後2年が経過し、彼から性的暴行を受けたという被害者が他にいたとは私が調べた限りは出ていない)
これをもって映画の差し止めや俳優の差し替えまでが必要であったかは現時点で知る限りの情報において私は判断ができない。
この俳優さんのファンでもないし今回初めて知った人なので特に肩入れもしてません。
スピルバーグ監督にしても、ちょっと前に彼が昔プロデュースした「グーニーズ」を金曜ロードショーでみて女の子の撮影アングルが気持ちわるっ!って思ったくらいなので、特に思い入れもありません。
ただ作品とキャストの関係性についてや、自分に立ち戻ったときの他者との関係構築や自己決定ということについて、もうちょっと時間をおいて考えたいと2021年時点の自分は感じたということを記録しておこうと思ったのでした。
結局、余談が長くなったな。
あ、それと痛いの苦手な人はちょっとビクッとなるかも。
スピルバーグ作品って痛いの多くないですか?