少し以前に観たのですが、大阪はシネリーブル梅田で今月で終わってしまうかもしれないみたいなので、見逃している方は是非!
最近のフランス映画は「オートクチュール」とかもそうだけど、こういう移民や地域格差とフランスのファッションや料理と言ったものを題材にして、考えさせる作品が多いし、魅せ方が上手い。
移民、難民、外国人労働者って、遠い話ではなく、これから自分がなるかもしれないし、まわりがそういう選択をするかもしれないし、「自分は死ぬまで日本で骨をうずめる」と思っている人にとっても間違いなく接する機会が増えていく。
維新の会の梅村みずほ氏の国会での衝撃的な発言に触発されて、すこし調べた。
日本の難民認定率の恐ろしいほどの低さや、入国から長期収容、強制送還をするのが全部おんなじ組織(法務省)で、第三者的な専門家の意見もなく、逃げてきた国についての知識もない(外務省管轄でもない)人間が、認定を求める人たちの聞き取り内容も明らかにしないままに追い返している現状があることを知った。
今の政府が入国管理法をどう変えようとしているのか、急いで広げないとダメだと思う。
複数回申請してやっと認められるケースも多いのに3回ダメなら強制送還するやり方はあんまりにも乱暴すぎる。
この映画の中でも病院で骨年齢を調べられて未成年じゃないことが分かって国に送り返される子もいる。
フランスだって相当に大変な状況がある。
それでも「この子たちはみんな自分と同じ人間だ」という視点が暖かい作品です。
余裕のある方はパンフレットも是非!
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ネタバレしてしまうので観てない人はここから読まないでくださいね。
パンフレットを読んで知ったのですが冒頭で重要な役どころのロレンゾ(移民の少年たちの自立支援施設長役)が足を怪我してずっと松葉づえついていますが、これ本当にケガをしてたらしい。
実際にロケの初日に子どもたちとサッカーをするシーンでアキレス腱を損傷し、役を降板しようとしたフランソワ・クリュゼ(「最強のふたり」の大富豪役の人で、フランスでは超大御所!!!)に監督がそのまま松葉づえで撮影続行を伝えたと。
いやぁ、フランス映画界、面白い人がたくさんいますね。
主役のオドレイ・ラミーもすっごい素敵でした。
フランス映画なのに主人公が色恋は皆無でがんがん自分の仕事にまい進するのも爽快でした。