リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

映画「生きる」(寺田和弘監督)

 

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お知り合いが観て、とても感動したと、鑑賞券をプレゼントしていただいたので観てきました。

 

12年前のあの津波で、我が子を奪われた親たちの、裁判記録映画。

 

すぐ裏の高台に一分で登れるのに、なぜ地震発生から一時間近くたって到達した津波で我が子の命が奪われたのか?

 

なぜ学校で死ななければならなかったのか?

本当は何があったのか?

 

していない避難訓練を「実施した」と報告する校長、なぜか小出しにされ、二転三転する情報。

 

その中で止むに止まれぬ思いで、闘う人たちの群像に何度も胸が揺さぶられる映画です。

 

監督は私と同郷の高塚高校出身者の方。

 

プロフィールを読んだ時、私が中学生だった時、女子学生が校門で頭を挟まれ圧死した、この事件のことを思い出した。

 

映画館に貼ってあった記事を読んで、この監督があの事件の4ヶ月前に卒業していたことを知った。

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「在学中に自分たちが声を上げていれば、彼女は死ななかった。黙っているのは加害者になることだ。」

 

その想いが繋がって、今回の作品にも結実したのだと思う。

 

たくさんの人に、観てほしいです。

 

本「古くてあたらしい仕事」島田潤一郎著

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昨日は誕生日だったので自分に本を買った。

 

ちょっと前に誰かが紹介していて気になっていた上に、黄色い帯に推薦文を載せている2人がとても好きな作家だったことが背中を押した。

 

読み始めたらもう最後まで止まらなくなった。

 

こんなにも「なぜ私は本を読むのか」ということについて腑に落ちる理由が書かれた本があるとは!

 

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「けれど現実に流れる時間とは別の、もう一つの肥沃な時間をこころの中にもつことができれば、日々はにわかにその色を取り戻す。」

【198ページより引用】

 

何度こんな経験を、自分はしてきたことか。

 

それを守り続けてくれた人や場所があって私は「読む」ことがこんなにも自分を救ってくれると知っている。

 

活字に関わる全ての人の誠実な仕事の先に、私のこの「肥沃な時間」は在る。

 

そのことに感謝してこの本を読み終え、すぐに誰かに勧めたくなった。

 

巻末にこの著者が出版した本が紹介されている。

 

これでまた新たな本と出会うことになる。

 

まずは田舎の子どもだった私がお世話になった移動図書館「ひまわり号」の本を読みたい。

 

また一年、自分を内側から支えてくれる良書と出会えますように。

 

 

細雪 上巻 谷崎潤一郎著

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昨日「大阪の日本画」展を中之島美術館まで見に行き興奮が冷めやらぬうちに「細雪(ささめゆき)」を。


戦前、大阪が大大阪と呼ばれた時代の雰囲気を感じる作品です。


4姉妹のはんなりした関西弁と性格の緻密さにあっという間に上巻を読み終わる。

 

若い頃、代表作を読んで「そんな好きちゃうな」と思ってから読まずにきた谷崎潤一郎に出逢い直している気がする。

 

冒頭で姉妹でレオ・シロタの演奏会に出かけるシーンがあって驚く。

日本国憲法に男女同権を書き込んだベアテ・シロタ・ゴードンさんのお父さんやないかい!!

 

「1946年のクリスマス」と言う本の中でベアテさんは戦前に音楽家の父と住んでいた日本であまりに女の人に権利がなく、辛い思いをしている人を間近にみていたために、戦後、必死で男女平等の条文を起草したと語っていた。

 

細雪に登場する4姉妹は没落したとはいえお金持ちだしそこまで酷い目には遭わない(いまのところ)けど、結婚も住む場所も勝手に決められない現実はある。

 

彼女たちは相当恵まれていたとしても本家とか分家とか年齢順とか行き遅れとか未年生まれとか、今の基準から考えたらもはや意味不明なことに縛られて翻弄されている人生でもある。

 

谷崎潤一郎はこの作品を戦前に数話発表したところで陸軍省報道部の干渉を受け、発表を中止している。

 

戦前戦中は自費出版を試みたり、疎開先でもコツコツと描き続け、戦後に完成させて発表している。

 

なんやらそこまでして描き続けたこの姉妹の3女(雪子)の婚活ストーリー(言ってしまえばそういうこと)を最後まで見届けたいと思った。

 

 

名古屋といえば

名古屋といえば帯が連想されるほど、短期間で着物に魅せられております。

 

とうとうメルカリで一目惚れした名古屋帯を自分のために買ってしまった。

 

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だって昔はみんなサラッとこれ着て普通に生きてた訳で、大正デモクラシー期の女たちの本を読み漁った昨年を経て、今年は自分で着物を着てみたい。

 

右も左もわかりませんがこの帯でお出かけすることを夢見て精進したいと思います。

 

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そうそう、澤地久枝さんの「好太郎と節子」読みました。

おっもしろかった!

 

好太郎がビックリするほどクソ男やなと思ったら、その次もダメ男捕まえてて、愛息子も結構ダメな感じに育てる節子さん。

 

えー、、、って最初は思ったけどここまで来るとあっぱれです。

 

時代の制約もあるのかなとか最初は分析しながら読みましたが途中からもう節子ワールド全開で時代とか育ちとか抜きにしてもとにかくエネルギーと愛と自尊心に溢れた人だったんだろうなと。

 

 

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きっと本人の引力が強すぎて寄ってきた男たちの方が吸い取られていったんだろうなぁ。

着物姿でヨーロッパへ旅立つ節子さんのハッピーな一枚が素敵。

 

いつかアトリエに行ってみたい。

引き返す勇気

このところリカちゃん和装沼にハマったおかげで針を持つことが増えました。

 

昔、近所のおばちゃんに教えてもらったアレコレが改めてよみがえる。

 

例えば「針は落としたらすぐ探す。知らんと踏んだらそのまま血管通って心臓に突き刺さって死ぬ」と脅されて震え上がった事(幼子を脅しすぎ!)

 

お陰で未だに針の扱いは慎重です。

 

「柄は合わせる。それだけで完成品のレベルは上がる」

 

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これは本当にその通りだと思う。

 

そして、「編み物でも、縫い物でも、なんかあかんと思ったら引き返す。納得行くとこまで潔くほどき。こんなにやったのに勿体無いとか、やらしい事考えたらあかん。」といつも言っていた。

 

「え〜」と文句を言うと「イライラするなら今日はもうやめとき。なんでも頃合い大事やで」と、たしなめられた。

 

今回も写真のリカちゃんの帯が胴周りの帯幅の割に後ろのお太鼓部分の幅が広くなったことに途中で気がついた。

 

悩んだけどやり直しました。

やっぱりやり直してよかったと思った。

 

90歳近いおばちゃんはもう覚えてないだろうけど、縫ったり編んだりする彼女の側で受けた「英才教育」は、今も健在。

 

こう言うことを子どもは覚えているものなのかもしれないなぁ。

 

そうだ田辺に行こう

年末にタイルと台湾飾り窓をモチーフにしたオブジェの展覧会で2回通った大阪・田辺にある須田画廊さん。

 

オーナーの須田さんの着物が素敵だったことが、その後の私の「リカちゃん和装」のきっかけでした。

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今回は気になる本屋さんが田辺にあると知って、思い立って田辺を再訪。

 

まずは駅から徒歩0分の須田画廊さんへ。

 

本日のお召し物もとっても素敵な信州紬に紅型の帯、そして帯飾りは象嵌のペンダントトップをリメイクされていました。

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あまりに素敵なので、我が家のリカちゃんをご紹介したところ、中でお茶まで出していただき、楽しいお話を聞かせていただく。

 

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こんな素敵なお召し物を拝見したら、またリカちゃんにお仕立てをしてしまいそうです。

 

で、お目当てのLVDB BOOKSさんへ。

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こちらも品揃え、内装共に私などストライクなお店でした。

ちょっと行くまでに迷うけど、通りすがりの優しい親子が連れて行ってくれました。

 

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絶対また行くと思う。

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みなさま機会があれば、田辺へお出かけください。

なんか、良いですよ。この街。

 

リカちゃん人形が衣裳持ちに

コロナ禍で何年も会えていなかった中学の友達と久しぶり会った年末。

 

私の作ったリカちゃん人形の着物を見せたら、やっぱり手作り好きの彼女から琉球紅型のプリントされた端切れを分けてもらいました。

 

張り切って着物を仕立てたら次は帯。

 

これまたお世話になってる近所のおばちゃんが「好きな布使い」と棚いっぱいの端切れから選ばせてくれました。

 

選び放題の中から選んだこちらの帯は後ろ姿もいい感じ。

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さらに帯締めは母がため込んでるお菓子の包装に使われていた飾りのついたゴム紐がピッタリ!

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そろそろこのブログのカテゴリー項目に「リカちゃん人形」が追加されるかもしれません。

 

年末年始は針仕事にワクワクした時間を過ごしています。

めちゃくちゃ楽しい、、、。