リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

せかいでさいしょにズボンをはいた女の子(キース・ネグレー作)

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いつもは着物を着せる沼ですが、今夜はズボンでこの本をご紹介。

 

この女の子のモデルになったメアリー・エドワーズ・ウォーカーは1832年生まれ。

 

ズボンを履いていることを理由に、何度も逮捕されますが1919年に87歳で亡くなるまで女性の選挙権と、好きなものを着る権利を訴え続けた女性です。

 

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お洒落で可愛いキース・ネグレーさんの絵柄と一緒にお楽しみ下さい。

 

暖簾(山崎豊子作)

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大阪在住者としてはこの船場商人の物語はどこかで読もうと思っていた。

 

長い間本棚で眠らせていたのに、ふと手に取ってページを開いた途端、大阪の商売人魂が覚醒したように流れ込んできた。

 

初めて書いた小説なのに、すでに貫禄すらある山崎豊子さんの筆の力に一気に読み終えました。

 

戦前戦後の時代を背景に商売人の親子が必死で暖簾を守り抜く話かと思いきや、むしろ逆で、この2人の営みを通して時代を浮かび上がらせるスケールのデカさ。

 

彼女の本編と「あとがき」を良い気分で読み終えたのに、最後に男性評論家が

「女流作家には珍しいねばりとしんの強さ」

と、クソどーでも良い「解説」を書いていてイラッとする。

 

誰やコイツ?と調べたら河盛好蔵というフランス文学者らしい。

 

だいたい女の作家を「女流作家」と言う男にろくな奴はいませんがwikiによると「新しい歴史教科書をつくる会」賛同者だと。

 

まぁもう亡くなられているので、悪口はこのくらいにしておきます。

 

考えてみれば何十年経っても古びない山崎豊子さんの文章と一緒に、亡くなってからも自分のこんな前時代的な一文がさらされてしまうこの人は気の毒ですらある。

 

ちなみに装画は芹沢銈介氏の染色です。

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こっちも全く古びないなぁ。

 

 

 

文学キョーダイ(奈倉有里✖️逢坂冬馬)

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今年ももう残すところ2ヶ月足らず。

 

ブログを書いておかないと、すぐ忘れてしまうので、長い間眠らせてたブログを「リカ活動家の日々のこと」として再始動することにした。

 

で、今日読み終わったのがこちら。

 

この2人が実は姉弟だと知って日本ペンクラブの企画した対談を視聴したら、ものすごく面白かったのでこの本は読む前から期待しかなかった。

 

その期待をもはるかに超えて冒頭からずーっと興奮で脳が騒がしくて大変だった。

 

2人曰く「団地のインテリ」だったご両親の話を読みながら痛切に(こんな風に子育てしたいなぁ!!!)と(あぁ、、、もう遅かったか?)の波が交互に押し寄せてくる。

 

奈倉さんが「おわりに」で弟のことを書いているけど、じんわり涙ぐみそうになった。

 

本を読むことが、風を吹かせることにつながる。

 

良い言葉だなぁと思う。

 

「僕は無力感に苛まれるところまでは非常によく分かるので、そこから先のことを考えたい」と言える逢坂さんの知性に強烈に憧れる自分がいる。

 

そのことにもホッとしている。

 

皆様も是非この「文学キョーダイ!!」に出会ってみませんか?

 

 

 

 

英会話最後の日と「長期的主義」

今日は何年か通っていた英会話の最後の日でした。

 

このところ会社の業績が振るわず私しか使っていない英会話チケットという福利厚生?を更新するのも心苦しい今日この頃でしたが、とうとう上司からも「もうちょっと業績が上を向くまで更新は待ってほしい」と言われてしまった…。

 

たぶん5年くらい週一で通っていたのですがついに終わりの日が来てしまいました。

最後の課題もタフだったので英語の勉強がてら載せておく。

www.japantimes.co.jp

「ある危険なイデオロギーが人工頭脳にまつわる議論の中心になりつつある」って感じのタイトルでしょうか。

 

まぁ全部を訳すのは体力、知力、集中力とどれをとっても追いつかないのでエッセンスだけいうと、このところ「長期的視点に立って人類の存続を考える哲学」がAIと相まって大流行してるけど、かなりヤバイという内容です。


IT界隈の有名大学(オックスフォードとかケンブリッジとかスタンフォードとか)で「トランスヒューマニズ=科学技術で人間の知能などを進化させる思想」や「エフェクティブ・アルトゥリズム=効率的な利他主義の意味」という思想と併せて「ロングターミズム=長期的主義」がかなり影響力を持ち始めているらしい。

 

まぁ、かいつまんで言うと「このままいけば気候危機や食糧難、戦争など人間の存続は難しい」という問題意識がまずあって「長期的な視野にたって」「効果的に」「遠い未来の人類のために」という発想になり、結論として「今生きている人たちの中で多少の淘汰はもうどうしようもないのではないか?」という話になっているらしい。

 

最大多数の幸福は求めない。


今生きているひとよりも圧倒的に未来に生きる人の方が(累積すれば)多いのだから、未来の人類のために効果的に優秀な種がどう生き延びるのか

みんなで考えてこっ!(キリ!!)

って感じらしく、そっち方面の会社にテック界隈の大金持ちはどんどん投資してるとか。

記事は最後にこの主張に批判的な人に

「この手の「主義」の熱心な信者がいる一方で、こういう主張をリードしている人たちの目的は利益に過ぎない。人類滅亡や世界の終わりという話は、確かにケニアの労働者が時給1ドル32セントで働いていたり芸術家や作家が搾取されているという話より煽情的だ」と語らせている。

知らないことばかりの記事でした。


ひとつの記事を読むのにイデオロギーの概念を調べるだけでも相当時間が食われる恐ろしい課題でしたが、先生最後まで容赦なくてそんなところも大好きでした。

 

それにしても色々単語忘れてるなぁ…。

英会話無くなったらもっと忘れるだろうなぁ。

ということで英語学習の投稿ぐらいは細々と続けていきたいと思うのでした。

 

 

 

 

 

映画「ウィ、シェフ!」(ルイ・ジュリアン・プティ監督)

少し以前に観たのですが、大阪はシネリーブル梅田で今月で終わってしまうかもしれないみたいなので、見逃している方は是非!

 

最近のフランス映画は「オートクチュール」とかもそうだけど、こういう移民や地域格差とフランスのファッションや料理と言ったものを題材にして、考えさせる作品が多いし、魅せ方が上手い。

 

移民、難民、外国人労働者って、遠い話ではなく、これから自分がなるかもしれないし、まわりがそういう選択をするかもしれないし、「自分は死ぬまで日本で骨をうずめる」と思っている人にとっても間違いなく接する機会が増えていく。

 

維新の会の梅村みずほ氏の国会での衝撃的な発言に触発されて、すこし調べた。

 

日本の難民認定率の恐ろしいほどの低さや、入国から長期収容、強制送還をするのが全部おんなじ組織(法務省)で、第三者的な専門家の意見もなく、逃げてきた国についての知識もない(外務省管轄でもない)人間が、認定を求める人たちの聞き取り内容も明らかにしないままに追い返している現状があることを知った。

今の政府が入国管理法をどう変えようとしているのか、急いで広げないとダメだと思う。

複数回申請してやっと認められるケースも多いのに3回ダメなら強制送還するやり方はあんまりにも乱暴すぎる。

 

この映画の中でも病院で骨年齢を調べられて未成年じゃないことが分かって国に送り返される子もいる。

フランスだって相当に大変な状況がある。

それでも「この子たちはみんな自分と同じ人間だ」という視点が暖かい作品です。

 

余裕のある方はパンフレットも是非!

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ネタバレしてしまうので観てない人はここから読まないでくださいね。

 

パンフレットを読んで知ったのですが冒頭で重要な役どころのロレンゾ(移民の少年たちの自立支援施設長役)が足を怪我してずっと松葉づえついていますが、これ本当にケガをしてたらしい。

 

実際にロケの初日に子どもたちとサッカーをするシーンでアキレス腱を損傷し、役を降板しようとしたフランソワ・クリュゼ(「最強のふたり」の大富豪役の人で、フランスでは超大御所!!!)に監督がそのまま松葉づえで撮影続行を伝えたと。

 

いやぁ、フランス映画界、面白い人がたくさんいますね。

主役のオドレイ・ラミーもすっごい素敵でした。

フランス映画なのに主人公が色恋は皆無でがんがん自分の仕事にまい進するのも爽快でした。

 

 

本「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」(内藤正典著)

なんのこっちゃな写真ですが(笑)この本を今日、読み終わりました。

だいぶいろんなことが整理された。

 

少子化なんだから外国人いれなきゃ日本は先細りでしぼむしかない」

「外国人が増えると治安が悪くなる。違法滞在の人は出て行ってもらうしかない」

 

相反する意見の様でいて、この二つの主張はどちらも、外国人を「労働力」として扱い「人間」として見ていない点でとても似ている。

 

著者は冷静な分析で移民の歴史、日本が労働力として色んな「タテマエ」を掲げつつ、外国人を「労働力」として活用してきた経緯、その結果吹き出してきた課題に対応できなくなって追い返そうとしている矛盾を突く。

 

でも同時に、どこの国だってバラ色の解決や多様性豊かな社会を実現しているわけでも、モデルケースがあるわけでもなく、多文化共生というのは生半可なことではないと教えてくれる。

 

読みながら自分の過去の行いに、のたうち回りたくなった。

アメリカにいた時、イラン人の若いクラスメイトと話していて、瞳以外はほぼ隠れている格好の彼女が「体育もこの格好でする」と教えてくれた。

 

想像したら楽しくて「へー」っと驚く私をニコニコ笑ってその子は見ていた。

 

でも彼女が「将来はお父さんが選んでくれた人と結婚したい。お父さんは私に一番いい人を選んでくれる」と言ったとき、私の驚く顔には多分批判めいたものが浮かんだのだと思う。皮肉な笑いすら浮かべたかもしれない。

今思えば(あぁ分かり合えないな)と彼女に思わせたのだと思う。

 

この本は最後に「外国人と仲良くするための10のヒント」が書いてある。

その10を読んでハッとした。

 

「人間も社会も「進歩するものだ」と思いこまないこと。

人間や社会が時代と共に変化するとき、それを「進歩」だと信じてきたのは、西欧社会の特徴です。(中略)しかしこれもどこでも通用する考え方ではないのです。日本に来た人が、仮に、今の日本では通用しなくなった「古い価値観」を持っていたとして、「遅れた人間」扱いしてしまうと、私たちの価値を上から押し付けることになりかねません。

もう、本当に気をつけよう。

今日から気をつけよう。

価値観のアップデイトは今からだって遅くない。

 

 

 

言い訳と再開

前回の投稿から恐ろしいほど時間が空いてしまいました。

まぁ、言い訳させてもらうとリカちゃん人形に着物を仕立てることにハマりすぎて他に手が回らなくなっていたのです。

そして、インスタも始めてしまってもう楽しくて楽しくて…

https://www.instagram.com/liccakimono/

 

とにかくどっぶり沼にハマっている今日この頃。

とはいえ、映画や本も観たり、読んだりしています。

 

例えば3月以降、高田郁さんのみおつくし料理帖シリーズにはまり、全巻読了しました!

その感想をブログに書けばよいのに、先に江戸の町娘をイメージした着物を作ったりしてるもんだから、時間が解けていくのです。

とはいえ、こちらも自分の記録としては続けたいところなので、細々と再開したいなぁと決意表明のために投稿します。

 

皆さま私のブログにまた遊びに来てください。

忘れないで!!!