リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

映画「スウィング・キッズ」

前回投稿したムビリオバトル。

嬉しいことに勝ちました!!

「学び」がテーマの今回私が紹介したのが「スウィング・キッズ」

他の参戦作品と一緒に写真でご紹介。

 

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後、結局この通り話せなかったけど5分のプレゼンタイムのために書いた原稿も貼り付けます。

 

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今回のテーマは「学び」ということで、私はスウィング・キッズと言う作品を紹介したいと思います。

 

これは数年前に同じタイトルの韓国映画が作られていますが、こちらは1993年、もう30年くらい前のアメリカ映画です。とはいえ舞台は90年も前の1930年代のドイツ。当時ドイツではヒットラーを崇拝するヒットラーユージェントに対抗するスウィングキッズという若者たちがいたその実話を元にした話です。

 

ちなみに1933年に実権を握ったヒットラーは1936年にヒットラーユーゲント法で若者の親衛隊を義務化します。33年末には3割だった組織率はたった6年後の39年初めには98%にまでなります。

これはその39年くらいの時代背景の映画です。

 

主人公たちはドイツの高校生で、当時流行していたジャズにハマっている。

自分の好きなベニー・グッドマンユダヤ人だということも知っている。

ヒットラーに忠誠を誓う若者たちを「ダサい奴ら」だと見下していたりもする。

ナチスの欺瞞的な態度も胡散臭いと思っている。

それでも周りはどんどんヒットラーユーゲントの活動に参加していく。

 

そんななか、昼はヒットラーユーゲント、夜はスウィングキッズの彼らの青春がどんなふうにそれぞれの道を分けていくかを2時間足らずで描いた作品です。

 

テーマが「学び」である以上、何かを新しく知ったり考えたり思考を耕せる作品がいいと思ってこの作品を選びました。

 

ナチスを扱った作品はナチス側かユダヤ人側のどちらかが多く、その時代に生きていた普通のドイツ人の視点での作品だからこそ、より自分に引きつけてみることができます。

 

アメリカのハリウッドが扱うナチス作品に深みが無いイメージもありますし、確かに脚本に何もかも盛り込みすぎている感はあります。

それでもハリウッドらしくジャズや若者文化のエンタメ要素を絡ませながらナチスが迫害したのがユダヤ人だけでなく、障碍者共産主義者,そのシンパや知識人などにも及んでいた点、集団への帰属意識がコンプレックスによって搔き立てられる様、優勢思想教育というヒットラーユーゲント内での「学び」がどういうものであったかまでもが良く分かる内容にしてあります。

 

この作品自体は有名な作品ではないのですが実はこの映画の前年に「今を生きる」で有名になったロバート・ショーン・レナードや、クリスチャン・ベールの若かりし頃が堪能できる作品でもあります。

ちなみに字幕翻訳は松浦美奈さん。昨日の金曜ロードショーの「アナと雪の女王」も字幕はこの人なくらいの大御所ですが、この方は実は「今を生きる」を訳すまでアクションかポルノ映画の字幕が多かったんです。この作品でブレイクし、続いてスウィングキッズも訳しています。若く駆け出しのの松浦さんの字幕を楽しめるのも私の推しポイントです。

 

私がこの映画を知ったのは京都の府立高校の社会科の先生で映画を通して世界史を教えられていた家永先生の著書でした。

先生の「世界史映画教室」という岩波ジュニア新書でしりましたが1940年3月2日にハンブルグダンスホールで400人のスウィングキッズが捕まえられた際、その半数は名目上ヒットラーユーゲントに参加していた若者だったそうです。

映画を通じて世界史を知り、自分に引きつけて考えられる点でこの作品はうってつけだと思います。

 

何よりあまり有名でないため検索しても韓国版ばかりヒットし、中古市場やメルカリで検索しても高値がついていますので、この機会を逃さず観てみようかなと思う方は清き一票をお願いします。

 

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プレゼンでは紹介できなかったですが、家永先生の本はこちら。

なかなかほかの映画も面白そうです。

 

参戦した他の作品のDVDも気前よく貸していただいたので、これから見ていこうと思います。

 

ちなみにムビリオバトルは次回は1月でテーマは「青春」の予定です。

参戦してみようかなと思う方は是非。

本当に勝ったから言うわけじゃなく、好きな映画を語り合う時間は「巻き戻して何度でもやりたいくらい楽しかった」のでした。