思春期の子どもが読めるようにひと項目ごとは短く、知りたいところだけ拾い読みもできるかなり実用的な一冊です。
この年まで生きてきて、女としての生理もわかっているつもりでしたが、生理用品ひとつとっても知らないものがあって驚いた!
性教育があまりにも足りない日本で生きる子どもたちは「教えてくれないのに、問題が起きれば自己責任」と言う矛盾を突きつけられています。
セックスが何かも教えてもらえないのに、避妊に失敗すれば「自業自得だ」と責められる。
そんな社会でいつも不利益を被っているのは子どもたちです。
(178ページより引用)
そのとおりだなぁ。
なんでも消費されてしまう世の中で、「恋愛」リアリティ番組が流行り、パートナーが見つかることが「幸せの完成形」のように植え付けられる子どもたち。
本当は相手との関係を作っていくためにも、基礎になる「自分で決める」ための軸が必要なのに周囲の空気に焦らされる。
その上、自己肯定感が揺らぐ時期に「恋愛」は、ある意味で簡単に承認欲求を満たしてくれる近道になりかねない。
だからこそ、心と体の基礎的な知識はやっぱり必要。
子どもたちが手に取れるように小中学校の図書館やコミュニティーセンターにあってほしい誠実な一冊だと思います。