何年か前にご近所の本屋さんがこの本と被爆者の谷口すみてるさんの講演会を企画されたことがあった。
この本を買って申し込んだのに、当日子供が発熱し見送った。
で、何年か経つうちに谷口さんはお亡くなりになり、私はこの本を本棚にしまったままで、なんとなく開かないでいた。
最近、軍事費が爆上がりすることを世論調査で多数が容認し、維新の会が「核共有」とか言い出している。
ウクライナへのロシアの侵攻や北朝鮮のミサイルがあって、周りも自分も抗えない流れの中にいる気にさせられる。
でも、今だからこそ、この本はもっと読まれないとダメだと思う。
開いてみたら、このお話は谷口さんの話だけれど奥さんの語りで進められる。
火傷のことも知らずにお見合い結婚し、仲良くなったと思った矢先にお風呂場でケロイドを見て騙されたと思うところから。
普通の人が、暮らしの中で死ぬまで訴え続けた核廃絶。
今ある不安にとにかく安心したくても思考を止めたらダメだ。
感情と理性は両方とも持ちながら、どんな人生を生き、どんな世の中の方向が良いのか、改めて考えさせてもらえる一冊です。