リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「少ない物ですっきり暮らす」

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このブログを更新している間も私はどこかに行ってしまったPCのマウスの行方が気になっている。

 

とにかく物はどんどん増えるし、年を重ねて忘却力は強化されるし、日々カオスが深まるばかり。

 

何とかしたい気持ちはあるので定期的に断捨離本を読むことにしている。

ときめく方法とか、塩をまくマジカル家事(?)とかいろいろありますが、今回借りた著者のやまぐちせいこさんのスタンスは結構自分に近くて納得だった。

 

この人のように部屋にとどまらず洋服すら定番を決めて数を絞るやり方は私には難しいなと正直思う。

 

でも物が減れば飾る花や窓からの光すら違って見えるというのは納得。

 

あと、子どもたちが自立した時に自分で判断できるように話し合って整理するってのもよいなと思う。

 

とはいえ現実はどんどんたまる本や雑貨の上にうっすらほっこりがたまっていたりもしますが、気づいたところを少しずつですね。

あ、疲れ切るまで掃除してしまったら続かないとやまぐちさんも言われてます。

それも納得。

本「90歳セツの新聞ちぎり絵」と「91歳セツの新聞ちぎり絵」ポストカードブック

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新聞紙ちぎり絵

母の誕生日が近いのでプレゼントに買いました。

ついでに近所の私が小さい頃からお世話になったおばちゃんにも読んでもらおうと思ってポストカードブックも買いました。

で、ケチなので送る前に自分も読む。

ちぎり絵作品そのものも良いですが、セツさんの人生そのものが興味深い一冊でした。

 

セツさんは夏のスイカちぎり絵のページの文章で

戦争が終わったんは、16歳の時です。

やれやれ、思いました。

と、書いている。

庶民にとったら戦争なんて本当に、それにつきる。

若い頃よい事のなかった91歳のセツさんが楽しそうに暮らす日々の様子に力をもらう。

 

予約してでも買ってよかったです。

 

ちなみにこれを予約した隆祥館書店さんは「よさそうなのでもう一セットついでに取り寄せました」と言われてました。

ご近所の方は今行けばすぐ手に入るかもしれません。

おススメです。

 

最後に先週近所のおばちゃんから送られてきた手作りの花束です。

こちらも80代ですがまだまだ手を動かして人を驚かせてくれます。

ありがたいことです。

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チューリップ

 

本「争うは本意ならねど」(木村元彦著)

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これは紹介したいと思い続けてやっとブログ更新です。

 

コロナ自粛中に著者の木村元彦さんの「13坪の本屋の奇跡」を読んで熱い投稿をしたらそれを読んだ知り合いに「悪者見参」を勧められ、さっそく買いにいったのに書店に在庫がなくて代わりにこの本を薦められたのでした。

 

なのにスポーツに興味のない私は書店の方の熱い推薦も空しくそのまま本棚で眠ること10ヶ月。

 

くしくも「女性のいる会議は長い」発言の森会長が、後任に川淵さんを推したことがきっかけでこの文庫本はやっと目覚めた次第です。

 

川淵さんが日本サッカー協会会長というサッカー界の最高権力者だった時におこしたドーピングえん罪事件。

 

背景を全く知らないながら読み始めて衝撃を受ける。

当時13あったJリーグのチームドクター全員がおかしいと声を挙げたのに、もみ消そうとするサッカー協会。

とはいえ、理屈っぽいお医者さん同士のやり取りが続く前半は正直ちょっとダレかけた。

肝心の我那覇選手は前半ほとんど登場しない。

でも、この緻密な前半は後半で我那覇選手をはじめ、彼を支えたひとりひとりを輝かせるための大事な部分だということに、圧巻の後半で納得がいった。

 

 

どう考えてもおかしいことに、勇気を出して闘う人に、自分の問題だと立ち上がる人たちがいて、「たかが選手」と見くびっていた巨悪が倒れる。

 

サッカーファンじゃなくても誰が読んでも勇気の出る闘いの記録です。

ああ、木村さんはどんなテーマでも胸の熱くなる文章を綴られる方ですね。

 

文庫本の解説を書いてる武田砂鉄さんの文章も秀逸です。

 

そろそろ「悪者見参」も読んでみないと。

 

 

あ、「13坪の本屋の奇跡」の熱い投稿はこちら↓

 

tototomoton.hatenablog.com

英字新聞「日本のツイッターで米国大統領選のフェイクニュースが拡散」

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Yomiuri Shinbun

この前英語の授業で出た記事が色んな意味で興味深かったのでご紹介。

そもそもタイトルからして知らん単語が二つも出てくる。

Twitterverseツイッター界とかつぶやき界隈とかそんな感じの単語。

ユニバースが世界ならツイッターバースはツイッター界。

Parrotはパロット=オウムから「オウム返し」とか「考えずに繰り返す」という意味がある単語。

 

 

で、この読売新聞英語版の記事。なかなかに興味深い内容でしたので途中からですが和訳します。

 

「この1時間で12万票がバイデンに入ったのにトランプはゼロ票」「200%の投票率、これがヤラセでなくて何なんだ?」このような投稿が11月4日から突然急増した。

(中略)

バイデン優勢が伝えられるにつれてこれら根拠のないつぶやきはさらに植増加する。「死人がバイデンに票を入れている」「バイデン票の偽造が判明した」これらのつぶやきは明らかに米国の不正選挙を主張する米国のトランプ支持者たちのものであり、このような主張は州の選挙委員会や各種機関で事実ではないことが確認されている。

これらの情報の主な発信元には匿名のアカウントも含まれている。不正確な米国からの情報を和訳して過激なコメントを付けて拡散することが日本では一種のトレンドとなった。

こういう情報を拡散する人たちの過去の投稿を確認してみると反中国感情の強い人や、日本にいる外国人への排斥感情の強い人が多い傾向があった。移民に厳しい政策を行っているトランプ氏に共感していることが見て取れる。

またバイデンや日米のマスコミはあやつられているといったような陰謀論のアカウントは10月末からフォロワーを急増させている。

 

真実は二の次になる

なぜこのような情報が拡散されるのか?

マサチューセッツ工科大学の研究チームは2006年から2017年までにツイッターに投稿された12万6000件の英語の投稿を調べた。一つのニュースが1500人の目に触れるまでの時間はフェイクニュースの方が6倍も速いことが分かった。この傾向は政治的なニュースになるとさらに強まる。

 

2019年に安倍元首相が「富裕層への増税なんてばからしい」と国会で答弁しているように意図的に編集された映像が投稿された。
そして野党支持者らがそれを拡散した。東京工科大学の准教授で「フェイクニュースを科学する」の著者である笹原和俊氏はソーシャルメディアに依存する危険性について語っている。

「あふれる情報の中で私たちは信じたいものを信じる傾向にある。真実は二の次になってしまうのだ」

 

 

この2019年の安倍さんの映像は700万人以上に拡散されたらしく、私も目にした記憶があったので、もうちょっと調べてみた。

 

詳しくはこちらの記事をどうぞ↓

www.buzzfeed.com

 

確かに意図的に答弁は編集されている。

安倍さんは富裕層への増税についてではなく「年金のマクロ経済スライドをやめるのこと」は「馬鹿げている」と国会でに日本共産党小池晃議員の質問に答弁している。

その意味でフェイクニュースの部類に入る映像を見て自分も疑問を持たずにいたんだなと襟を正した。

でも私はこの動画を根も葉もないフェイクニュースだとは思わない。


だって、80年代以降に富裕層向けの税金は半分に減税され、その間に消費税は導入されてどんどん税率が上がっている。私の子供時代と比較しても貧富の差が広がっている。

これはファクトだ。

 

政治家に対するファクトチェックは実際に言ったかどうかも大事だけど、何をしてきて、何をしようとしてるかだと思う。

庶民感覚としては安倍さんがこう言ったということを(そうだろうな)と思った人がそれだけ多かったということだ。

 

そしてなにより今回のことで上記で紹介した記事を丸呑みしてもアカンなと用心深くなった私は国会会議録検索システムで実際の2019年の共産党の小池議員の質問の議事録を読んでみて別の意味で震えた

 

 やっぱり正直に認めるべきですよ。これから年金はどんどんどんどん目減りしていきますと、今の生活水準は保障できなくなりますと、今五万五千円、年金生活者違いますけど、更にこれが広がりますと、生涯三十年間年金生活を送ったら更に千六百万円これは欠損が出てきますということを正直に言って、それでもいいですかと。私は、そういったことを正面から問うて、じゃ、F35に一兆円使うとか、そういったことが許されるのか。笑っている場合じゃないでしょう、菅さん。

 

 

年金水準をどうするかを、野党議員が真面目に質問してるときに笑ったのが今の日本の首相なのだというファクトは忘れないでいようと思う。

 

2021年は選挙の年。

フェイクを見抜く力も、ファクトを自分から見つけていく力も求められますね。

絵本「パパのカノジョは」

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パパのカノジョは

とてもいい感じの女性が出てくる絵本を見つけました。

主人公の女の子は新しいパパのカノジョを警戒しながら観察中。

お話もいいですが、絵の作家さんもすごくよい。

このページの色とか構図とか人の表情とかすべてに心を掴まれます。↓

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ご近所の人とはスペイン語で話し、植木に日本語で話しかけ、金魚相手にオペラを歌うカノジョ。

 

かなり自由度が高い感じです。

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でも女の子のお話をテレビを消して聞いてくれ、ひみつはひみつにしておいてくれ、成績でその子をジャッジしない。

 

あぁ、こんな風に丁寧かつ、とらわれずに子どもと過ごしたいなぁということがたくさん描かれている絵本です。

 

「自分で片づけるならおもちゃを散らかしても怒らない」というところろに影響されて三日間は子どもを怒らずにすみました(今朝、待ちきれずに怒った)

 

子どもがこれを読んでこんな素敵な大人を知ってしまったらやりづらいわ…という、ある意味「危険思想」をふりまく絵本でもあります。

 

でも本来これくらい自由でいいんだよなぁ、子どもとの日々は。

 

ちなみに翻訳の「もん」さんて私が好きなニューヨークのエッセイ漫画を描かれているひとなんですが、こんなお仕事もされてるんですね。

多才な人だなぁ。

 

 

漫画「メタモルフォーゼの縁側」

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メタモルフォーゼの縁側

最終巻が発売されました。

もうこれは本当におすすめ中のおすすめです。

 

ここまで伝えたい言葉を探す時間を漫画の中で再現できるってすごいと思う。

心に寄り添う様なこまわりと描写があるから、主人公が言いたいことを伝えられた時に一緒にホッとするほど共感できるんだなぁと思う。

 

今なら一気読みして優しい世界に浸れます。

 

なんか一番響いたセリフは

 

 自分のためにやることって

        なんか盛り上がらなくて

 でした。

この作品、映画化するみたいです。

どうなるのかなぁ。

映画「チャンシルさんには福が多いね」

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チャンシルさんには福が多いね

今年はこれを観たいなと思っていたので観てきました。

万人受けする作品だとは思わないけど、映画が好きな女の人がつくった映画の好きな女の人の話なので共感ポイントがたくさんあった。

綺麗な作品なので映画館で観れてよかったなと思う。

 

それこそ一昔前の韓国ドラマのような記憶喪失や交通事故や財閥の御曹司との出会いといったドラマティックなことは日々の人の営みの中ではそうそう起こらない。

電気が切れたり、けつまづいたり、妄想を膨らませたり、その程度だ。

 

生きていれば悔しいことも無様な事も腹の立つこともあるし、誰かに少し親切にしたり、ご飯を食べたり、お茶を飲んだりする。

そういう時間の愛おしさをすくいとるような優しい作品です。

 

この前観た「詩人の恋」でも思ったけど、好き嫌いは脇においても多様な作品がたくさん生み出されてる韓国の映画界は本当に活況だなあと改めて思う。