リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

本「言葉を育てる」米原万里対談集

米原万里さんが好きな人にとったら文句なしに面白いです。

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言葉を育てる

小森洋一、林真理子児玉清、辻本清美、糸井重里、、、誰との対談もそれぞれに興味深いですが、ここはやっぱり仲良しのイタリア語通訳者・田丸公美子さんとの対談がとにかく楽しくて笑えます。

 

対談で、田丸さんの本「シモネッタのデカメロン」の話になって、いろんなイタリア人から聞いた下ネタを書いた田丸さんのエッセイについて米原さんが

米原:でも何でこんなにたくさんの色々なネタが集まったの?まさか毎回お客さんに性生活についてインタビューしてたの?

 

田丸:向こうから話すの。学生時代から聞かされる。

 

米原:ふつう外国人の異性にここまで話すか?塩野七生さんとか須賀敦子さんにイタリア男がそんな話してる図は浮かばないよ。

 

って、やり取りが目に飛び込んできてびっくりした。

ちょうど同じ日に須賀敦子さんの重厚なエッセイを読んだ後で、典型的イタリア男の話をイタリア語通訳の田丸さんと米原さんの対談で読む。

 

時々こんな偶然が起こるから本を読むって単純に面白いなと思う。

そしてやっぱり米原さんは須賀敦子さんを読んでいたんだなぁと思う

そりゃそうだよなぁ。

知性は共鳴しあう。

 

いろんな言語をあやつる翻訳者や通訳者の数が多いほどその国の文化は成熟する。

外国の文化や社会に精通してて、それを日本語で考察し発信してくれる人がたくさんいるということが日本の文化を豊かにすると思う。

 

最後に、この本の解説を書かれている黒岩幸子さんの文章を読みながらつくづく思った。

 

米原万里さん、もっと生きていて欲しかったなぁ。

 

 

本「地図のない道」須賀敦子著

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地図のない道

以前コルシア書店の仲間たちというエッセイをよんですっかり須賀敦子さんのファンになったわたし↓

 

 

tototomoton.hatenablog.com

 

こちらもとてもしずかな気持ちで読み進められる一冊でした。

ヴェネツィアに行ってみたくなる。

そして実は大阪にも縁のあった人だったことを知る。

一心寺のあたりを歩くエッセイは何とも言えない気持ちになった。

 

映画や本で、たくさんの伏線を張り巡らせそれが終盤に回収されていく話はよくある。

その鮮やかさが評価される作品も多い。

でも私は個人的にはそれが鼻につくときがある。

 

須賀敦子さんのエッセイも、いろんな場所に飛ぶし、記憶の飛躍もたくさんある。

途中でいったん読者は宙ぶらりんな気持ちにさせられるのに、最後にはもう光と影が活字から浮かび上がってきて、いろんな記憶が美しい絵に編み上げられていく。

 

 

前に紹介した「たちどまって考える」(ヤマザキマリ著)の中でも若くして絵描きになりたいとイタリアに渡ったヤマザキさんに「この子は絵がうまければ絵描きになれると思っているよ」と可哀そうがった周りの年長者がたくさんの本や映画や芝居をすすめ、議論を吹っ掛け、その人たちの厚みにやまざきさんが感嘆するくだりがあった。

 

イタリア、とても興味深い国だなぁと思う。

 

本「僕のウソ」藤野恵美著

まちライブラリーで何気なく手に取ったこの著者の「二人の文化祭」が結構面白かったのでこれも借りてみた。

これもするすると読めるけどなんというか読後感はすごくよかった。

ただ一つだけ気になるのは、この主役の二人の性別は男と女でなくてもよかったのになぁということ。

 

性的な対象はそんなに揺らぐものなのかどうかは分からないけれど同性同士でも十分なりたつ設定だと思うからこそ、その点だけは残念な気がする。

 

それにしても、あとがきでこの話は「私の恋人」と言う小説の続きのストーリーだということを知る。

 

解説の佐々木敦さんが

先に前作を読むことを強くお薦めする。

と書いてて、まじか!と思った。

 

ので、まだ読んでいない方は先に「私の恋人」を読んでみて面白かったラこちらもおススメします。

 

まぁ私はこれから「私の恋人」を探して読もうと思ってるので、おススメするのも無責任な気もしますが、きっと面白いから。しらんけど。

 

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本の新陳代謝

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古本募集

現在子供の通う学童で各家庭から古本を集めています。

学童内で百円均一で売った後は古本屋さんに買い取ってもらって、その収益で子供たちにクリスマスプレゼントの本をまた買う…。

ぐるぐると書籍の循環させる取り組みです。

 

我が家のこの一年でまた溜まった本たちも、できるだけ放出しようと本棚をなめるように眺めまくりました。

以下の2冊もここに感想を書いたらもっていこうと思います↓

 

気仙沼ニッティング物語~いいものを編む会社

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実はこの本は編み物好きな私が赤い編地に惹かれてジャケ買いした1冊です。

何年も本棚の隅にありましたが、ふと読み始めたら一気に読んでしまった。

 

何もないところから組織を作るときに大事にしたい心構えや、事業を継続するために人と認識を共有し、一致し、自分の思いを目に見える形にしていく方法が満載で、ニットというユルフワな入口からは考えられない程にビジネス書でした。

あの震災の後にこんな取り組みがされていたことも初めて知って、いつかこのセーターが欲しいと物欲もわいてくる。

 

検索してサイトも見つけてしまった(かなり勇気のいるお値段なのですが)

knitting.co.jp

 

で、もう一冊は先日紹介した「ヴィオラかあさん」のヤマザキマリさんの新刊

「たちどまって考える」

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コロナで始まりコロナで終わろうとしている2020年の終わりに読むにふさわしい、この一年を落ち着いて振り返ることのできる一冊です。

イタリアと日本という二つの国を行き来しながら、日本と言う国を俯瞰してみてきたヤマザキマリさんだからこその視点に共感しながら読み終わりました。

 

2冊とも良い本だから手元に置いておきたいという気持ちをグッとこらえて、このブログを書き終えたら、古本市場という大海原に送り出そうと思います。

 

本が子どもたちの身近にあることは、きっと未来社会を分厚く、重層的にしてくれる。

 

恥の多い人生を謳歌するしかない

人間は失敗して、恥ずかしい思いをして学ぶ。

ルーズベルト大統領もかつて

The only man who makes no mistakes is the man who never does anything.

ミスをしない人間と言うのは、何もしないやつのことだ 

と、言っています。 

 

以前、濃縮果汁を輸入する会社に勤めていた時に、アメリカからのお客さんを某有名お菓子メーカーにお連れする機会がありました。

そこまで英語に自信はなかったけれど、果汁はフルーツの名前だし、アップルもバナナもパイナップルも聞き漏らすわけはないと油断していたら突然お客さんの口から飛び出した単語が「エーペコ」。

頭が真っ白になりつつ聞き返す私、繰り返される「エーペコ」

吹き出す冷や汗、泳ぎだす目…・

すると目の前の技術屋さんらしい男性がそっと「アプリコット…」とつぶやいてくれました。

あれ以来アプリコットの発音は骨の髄まで染み込みました。

 

アメリカに行ってすぐのころ、借りていた建物の共有の庭をいつもきれいにしてコンポストも管理してくれている男性に、「庭仕事の才能があるね」と言いたくて昔どっかできいた

You have a green thumb.

を使うつもりが

You have a blue  finger.

と言ってしまい、あっけにとられた顔をされたこともある。

そのあと2人で「アバターかよ!!!」って爆笑したけど、あれ以来何がっても指は親指で緑色だと肝に銘じている。

 

で、なんでこんなことを急に思い出したかと言うと、さっそくトライアルの答え合わせをしようと思って、一緒に勉強していた人と答案を交換してみた。

 

あぁぁぁぁ!!!!

アメリカのメイン州は日本の朝日新聞社の用語辞典では「メーン州」で統一されているのに、私は「メイン州」と書いてしまっていました。

 

(発音はどっちかっていうとメインじゃね?)とか、(ネットで検索したらメイン州のがヒットするぞ)とか言いたいことはあるけれど、用語集に書いてあることはそれに準ずると言うのが字幕の世界の規定。

 

そして、そういう一つ一つを見られるのがトライアルです。

メーン州と書けた人が「調べた人」なんだなぁ。

トライアルに興味のない人にとってはなんの意味もない投稿ですが、なかなかに痛恨のミスです。

 

傷心ついでに「失敗は成功のもと」の英語も調べてみました。

うん、また頑張ろう。

No pain, no gain.

Every failure is a stepping stone that leads to succes.

It's just another lessen learned.

トライアルをまた受けた

昨日は字幕学校のトライアルの締め切りでした。

提出した後の解放感たるや!!!

何でもできる気がしますが、とりあえず昼寝しました

 

で、今回の課題も10分くらいの中に盛り込まれたネタの多かったこと!

 

ベトナム戦争

ローリングストーン

シェイクスピア

ライ麦畑でつかまえて

そして陥入爪!まで!!!!

 

でもまぁお陰で全然詳しくないシェイクスピアがちょっと身近に。

とくに中野好夫さん訳の「ロミオとジュリエット」の解説を読めたことは私にとっては収穫でした。

こんな日英両言語の達人がそれこそ七転八倒しながら訳を繰り出していたのだな。

その苦労が迫ってくる文章をご紹介。

 

 本訳書の読者はおそらく「心ウキウキ」だの「パンパン嬢」だの、その他数多くの生々しい語彙が頻出するのに驚き、次には眉を顰められることだろうと思う。ただ訳者は、シェイクスピア冷灰的死語や生気ないお上品言葉の連続にするよりは、むしろ多少卑俗、俗悪でも溌剌として生きた現代感覚の方向へ誤りを犯したかった。

 

1951年に中野氏が書いた解説の最後の部分です。

戦後6年しかたっていない時期にこんなに豊かに英語を日本語に翻らせる人がいたという事実だけでも茫然とする。

 

 

他にも、たまたま古本屋でみつけたローリングストーンズの歌の歌詞の英日両方がのってる「詩集」も面白かった!

結構簡単な英語の歌詞で歌っているのだなぁ。

ローリングストーンズ。

 

あと、よくタイトルは聞くけど読んだことのなかった「ライ麦畑でつかまえて」の英語版もこの機会に買ってみました。

英会話のアメリカ人の先生は「主人公が恵まれすぎてて中学生で読んだときは共感しなかったけど、アメリカでは映画とか本にはよく出てくるから、自分は見逃した部分があるのかと思って大人になってからもう一度読んだよね。好みじゃなかったけど」と言っていました。

さて、どんなもんでしょうか。

 

と、いうことで出来はどうあれ、自分の知らない世界を広げてくれるのが映画です。

そのことを痛感しつつトライアル自体は。。。まぁ、ねぇ。 

 

 

今ネットフリックスで観れるおススメ作品

とうとうここまで回し者なタイトルで投稿をしてしまいますが、来月にはこんな映画も公開されますね↓

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NETFLIX世界征服の野望

これ、ちょっと気になっている。

と、いうのも本当にコスパを考えると面白い映画をたくさん観れてしまうネットフリックスなのでその裏側を垣間見てみたい。

 

今お薦めはまずごちら↓

 

eiga.com

 

え?タイの映画ってこんなにおしゃれで面白いの?と自分の無知さ加減に頬っぺた殴られたような気持ちになった作品です。

 

このタイ版の冨永愛ちゃんみたいなヒロインは今度こっちの映画も公開されます↓

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そしてちょっと前から観れるのがこちら↓

gaga.ne.jp

アメリカですら人種間の結婚が違法だった時代はそれほど前の事ではない。

これ、しみじみと良い作品です。

 

それ以外にもネットフリックスオリジナル作品で面白いのが

www.netflix.com

ニューヨークの話題の本屋さんが出会いの場所で、本好きにはたまらない展開です。

クリスマス気分も味わえる上に、主役の二人がキュートなので引きこもり視聴にはうってつけです。

それにしても主役がアジア系ってかなり当たり前になってきたなぁ。

 

あ、以前にご紹介したビリーブも今はネットフリックスで観れますよ。

tototomoton.hatenablog.com

 

はぁ、、、まだまだ紹介しきれてない面白作品がたっぷりあるんだけども、とりあえず回し者はこの辺で退散します!

皆、無事に沼から這い上がる自信があるなら、一ヵ月だけでも無料トライアルをどうぞ!