リカ活動家の日々のこと

リカちゃん人形に着物を仕立てて着せる沼に浸かる活動家。

詩集「寸志」 (茨木のり子作)

(あぁ、今日はしっかり話が通じる)と明るい気持ちで電話を切って2時間も経たずに「今日迎えに来てくれるのではないのか?」と父から電話がかかってくる。 こういうことに、少しずつ、慣れていかないといけないのだと思う。 でも「慣れる」ということが「一…

本「Empowerment エンパワーメント」大崎麻子著

エンパワーメントと言う言葉をよく聞くようになった。 最近、語源に興味があるのでまずは単語の意味を考えてみる。 単語の頭にくるENは「~する」という意味なのでパワーにエンがつくことで「力にする」「力をつける」という意味。 で、この単語は主に女性…

【本】I was born for this(Alice Oseman著)

この前からネットフリックスの「Heartstopper」の投稿も増えていましたが、沼にハマっていたのは私だけではなかったらしく、あっという間にシーズン2と3の制作が発表されました。 優しい物語が広がっていっていてうれしい。 この本は「Heartstopper」の原…

本「モディリアーニ モンパルナスの伝統」(宮下規久朗著)

GW中に実家に帰っておっちゃんの書斎からもらってきたこの本。 これを読んでモディリアーニがイタリア人かつユダヤ人だったこと、彼の人生がたったの35年だったことを知った。 そして10代のころのモディリアーニの写真も118ページに載っているけど超絶オトコ…

本「選んだ理由」石井ゆかり著

さくさくと軽い気持ちで読める本でしたが、何箇所かハッとする気持ちにもなる一冊。 星占いの本がベストセラーになった著者ですが 「私自身は、星占いを「信じさせよう」と思うこともないし、自分でも「信じている」つもりはない。」 と、書いていて興味深い…

本「終点のあの子」(柚木麻子著)

先月「らんたん」という長編を読んでから他にも読んでみたいと思っていたので柚木麻子さんのデビュー作とそれに連なる短編集を読んでみた。 デビューの時点で、ものすごい観察眼だなとびっくりする。 この人のように他者の印象を的確に漏れなく文章に移し替…

自由の森学園の食堂

やらないといかないことがある時に限って、ちかくの市民図書館「まちライブラリー」に行ってしまう習性はなんとかしたいですが、懐かしい雑誌を借りました。 11年前のku:nelです。 そしてこの特集に目が釘付けに。 埼玉にある自由の森学園の食事の美味しそう…

本「僕のコーチはがんの妻」藤井満著

少しだけ知っている方の本なのでなんだか冷静に読めたかどうかは自信がない。 でもとにかく、玲子さんの勢いのある良い感じとそれを漏らすことなく綴る藤井さんの文章が素晴らしかった。 27ページに載っている「お見合い繰り返すけったいな人」というコラム1…

本「セーラー服の社会史」井上晃著

娘さんに「私もさぁ、いよいよ受験生のオカンとして何かした方がええんちゃう?」と聞いたところ「むしろ何ができるのか聞かせてくれるか?」と返されたワタクシ。 勝手に大阪の高校について自由研究を進めております。 まずは清水谷高校のことが書かれたこ…

絵本「えんどうまめばあさんと そらまめじいさんの いそがしい毎日」

発売日に予約して、まちわびていた絵本が届きました! 目の前のことにすぐ気が散ってしまうふたりに共感しながら、あったかい気持ちで読み終えました。 「暮らすということが大事。 いそがしく、たのしくね。」 原作者の松岡享子さんはこの作品が遺作になら…

雑誌「Casa✖️Brutus2004年9月号」

「昔はよかったねといつも口にしながら生きていくのは本当に嫌だから」と歌ったのはマキハラでしたかね? でもこの18年前の古雑誌は街ライブラリーで見つけてあまりの力のこもった特集に頭がクラクラ。 「昔の方が良かった」ものばかりではないことは重々承…

本「ヘルシンキ生活の練習」(朴 沙羅著)

ビックリした!本屋でたまたま一冊だけあって、ふと手に取った初めて読む書き手さんの本が、ここまで面白いとは!! あまりに面白いので家族にところどころ読み上げて、さすがに嫌がられた。 ここ数年でおぉぉぉって思ったレベルではブレイディみかこさんの…

本「翻訳者の仕事部屋」(深町眞理子著)

著者の深町眞理子さんは戦後の日本で大量の海外ミステリーやアンネの日記を日本に紹介してきた翻訳者だ。 最近、鬼籍に入ったおっちゃんが1930年生まれなのだけど、彼女はその翌年に東京に生まれている。 余談だがその少し前の1929年にアンネ・フランクも、…

「英国の鉄道員の制服」(石井理恵子著)

普段子どもの学校の制服や校則にぶつくさ言っておいて大きな声では言えませんが、実はまぁまぁ制服が好き。 こちらの本には英国内に100近くある保存鉄道(昔廃線になった鉄道を地域でボランティアや民間で復活させたもの)に集う鉄道好きの男たちの着こなし…

須賀敦子の本の本

一冊の感想をまとめて書くことが乱暴に思えるほど、須賀敦子さんは慎重に言葉を選び、確固たる文体で文章を綴る。 この人の文章を一部分だけ切り取る無粋さは知りつつも、数行で人を世界に引き込む力がある書き手は稀有だ。 最近出会った「遠い朝の本たち」 …

本「CHOICE」(シオリーヌ著)

思春期の子どもが読めるようにひと項目ごとは短く、知りたいところだけ拾い読みもできるかなり実用的な一冊です。 この年まで生きてきて、女としての生理もわかっているつもりでしたが、生理用品ひとつとっても知らないものがあって驚いた! 性教育があまり…

絵本「分類ごっこ」(文・森毅 絵・村井宗二)

昔、古本屋さんで買ったこの絵本。 久しぶりに出して来たらやっぱり面白い。 ものを考えるうえで「分けて」「整理する」ことの大切さを子どもにわかる形で伝える革新的な絵本。 絵が可愛いだけじゃなく話も深い。 作者である数学者の森毅さんの言葉を読んだ…

本「愛についてのデッサン」(野呂邦暢著)

読みたいなと思ってメルカリで検索してポチッと購入すると、3日くらいで手元に届く。 この一年くらいはメルカリのお陰で読書量が増えています。 この本はそういう消費の仕方とは対極にあるような、でも形態は違ってもルーツは同じなような不思議な一冊です。…

本「ときをためる暮らし」(つばた英子・つばたしゅういち)

姉から届いた荷物に入っていた「ときをためる暮らし」を読み終わりました。 うちの姉は本を選ぶ趣味が良い。 とにかく突き抜けたおふたりの丁寧な暮らしを聞き取って、レシピや写真(撮影は落合由利子さん)と共に残してくれた水野恵美子さんには感謝したく…

本「野呂邦暢 古本屋写真集」(岡崎武志 古本屋ツアー・イン・ジャパン編)

若くして亡くなったこの諫早出身の芥川賞作家のことは本屋でこの本をたまたま手にとって初めて知った。 亡くなられた後に作家のお兄さんから古本屋を撮影した膨大な量の写真を譲り受けた岡崎武志さんがまわりの古本屋や野呂邦暢さんの文学が好きな人たちと一…

本「晴れ着のゆくえ」中川なをみ著

子どもの頃は鍵っ子だったので私にはとにかく時間がたっぷりあって、かつインドアだった。 結果、縫い物や編み物ばかりする肥満児の小学生は手芸本の立ち読みばかりしていた。 いろんな出版社はあれども、どの分野でも飛び抜けてセンスが良かったのが「文化…

本「金の角持つ子どもたち」藤岡陽子著

藤岡陽子さんは前に「手のひらの音符」を、読んで面白かった記憶があったので借りてみた。 「中学受験」ということについて、自分も、いま育てている子どもの選択肢にも入れたことがなく、どちらかといえば作中に出てくる「小学六年生の夏休みは一度だけなの…

本「ドラえもん みんなのための法律入門」

このシリーズは結構どれも面白く、ドラえもん効果で我が家の小さい人も漫画の部分は読みますが、そこだけつまみ読みするのは勿体無い! 特にこの法律入門は、相当良いです。 ブラックバイトやブラック部活、ブラック校則。 この暗黒の世の中を子どもたちが丸…

本「落陽」(朝井まかて著)

お正月にお義母さんが孫だけじゃなく私にまで本屋さんで本を買ってくれました。 朝井まかてさんは「恋歌」と「すかたん」、「ぬけまいる」を前に読んだことがあってどれも面白かったので気楽に選んだ一冊でしたが、この作品は思った以上にテーマが壮大でした…

本「藤野先生」(魯迅著)

お正月の帰省で小さい頃からお世話になった人のお家で過ごした。 この書斎の主の、「おっちゃん」は92歳でいま入院中だ。 ここで文章を書いたり、本や読んだり、切手を集めたりしていたので、なんだか今もそこに座っていそうだ。 その部屋には小さいけど書庫…

画集「ゴンド・アート」

年末に「自分へのご褒美」と言う脳内のささやきに抗えず購入した画集です。 でも、めちゃくちゃ良かった!!! 後書きによると 「ゴンド・アート」を描くバルダーンという民族は歌を歌うことで謝礼をもらい生計を立てていたような人たちでした。 まさしく歌…

本「カリフォルニア日系人強制収容所」(白井昇著)

カリフォルニアに住んでいた10年くらい前、日系人と日本人が集まるパーティーで年配の女性に「ティーンの娘時代を私はキャンプ(強制収容所)で過ごしたのよ」と聞いた事がある。 仲良くなった日系アメリカ人の友達から「大学の途中で収容されたおじさんは、…

本「台湾生まれ日本語育ち」(温又柔著)

去年の選挙の時にchoose life projectのイベントを視聴した。 菅内閣の政府が6名の学者さんを日本学術会議のリストから任命しなかった事がテーマだった。 任命されなかった学者さんや、学術会議の元会長さんたちと並んで、語り合っていたのがこの本の著者で…

2022年読み始め

2022年明けましておめでとうございます。 元旦は郷里の街を散歩したり、ボーッと夕日や小鴨を眺めたりして過ごしました。 で、元旦の夜から読み始め、今日読み終わったのがこちら↓ ハウツー本ではなく、学ぶとその先に何が変わるのかを哲学的に書いてある一…

本「英文法の教科書」(牧野智一著)

最近うちの14歳と一緒に英語をする機会があって、あらためて「三単現のS」とか「普通動詞とBe動詞」とか考える機会になったのでこれを買ってみました。 タイトルは「一度読んだら絶対に忘れない」という前置きが付いてますが、こちとら忘却力だけは自信があ…